Category Archives: 音楽

演奏会の告知:いわき交響楽団(10月14日)

 

演奏会の告知をさせてください。m(_ _)m

いわき交響楽団 第28回定期演奏会

日程

2012年10月14日(日)14:00開演(13:30開場)

曲目

フンパーディング:ヘンゼルとグレーテル序曲

ショパン:ピアノ協奏曲第2番

ブラームス:交響曲第1番

演奏

いわき交響楽団

ピアノ独奏:鈴木香保理

指揮:永野裕之

料金

一般:¥800(当日券¥1000)

学生:¥400(当日券¥500)

※小さいお子様も保護者の方とご一緒にご入場いただけます。
ホームページは⇒いわき交響楽団

チラシ(表)↓クリックで拡大します

チラシ(裏)↓クリックで拡大します

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いわき交響楽団の皆様にとりまして、震災後初の定期演奏会になります。

このオーケストラとは震災以前よりご縁がありまして、メンバーの方々の人柄の良さと音楽に対する真摯な思いにいつも心打たれておりました。

それだけに震災の報を聞いた時は、まっ先にオケの皆様の顔が浮かび、心臓をドキドキさせながらメンバーの方にご連絡したり、オケのHPの掲示板に書き込んだりしました。しばらくしてなんとか皆様の無事が分かった時はほっと胸を撫で下ろしたのを良く覚えています。でも、やはり中には家を失うなど大きな被害を受けた方もいて、皆様それぞれに被災者としての苦しみの中にいらっしゃいます…。

今回の演奏会の選曲をオーケストラの皆様にお任せしたところ、メインはブラームスの1番になりました。選曲理由は

「苦しみを乗り越えて勝利(歓喜)に至る曲想が今の私達にふさわしい」

ということでした。

ちょっと口幅ったいことを書きます…

ブラームスはロマン派の作曲家ではありますが、物語性を排除した「絶対音楽」を好んで書いた人です。この第1交響曲が完成するまでに実に21年という長い年月がかかったのも、純粋な音楽としてベートーヴェンの「第九」に続くような交響曲を書きたかったからに他になりません。ですからロマン派だからと言って、具体的な想いや情景をブラームスの音楽に重ね合わせることは彼が書いた音楽を曇らせてしまう危険性を秘めています。

しかし、私は最初の練習の時に言いました。

「今回の演奏会ばかりはこの曲に皆様の”想い”のすべてぶつけてください」と。

私も万感の想いをこめて振らせていただきます。

皆様のご来場を心よりお待ちしております。

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指揮者の勉強と和声進行(コード進行)の基礎

 

時々、

「指揮者の人ってどんな風に勉強(練習)するんですか?」

と聞かれます。確かに楽器の人がどのように練習するかは何となく想像つくかもしれませんが、指揮者の練習(?)というのは想像しづらいかもしれません。

指揮者の勉強


指揮者にも色々なタイプの方がいらっしゃいますので、一概には言えませんが、少なくとも私は「腕の動かし方」そのものを練習することはほとんどありません。ソリストとの合わせが難しそうなところや、拍子が変わるところ、テンポが変わるところは「こんな風に振ろうかな」と考えることはありますが、やはり練習(というか勉強)の90%以上はスコア(オーケストラの全ての音が書かれた楽譜=総譜)を読むことです。

では、スコアの中の何を読んでいるのか?

それは、和声(和音)の進行です。

もちろん、どこでどの楽器が使われているかはチェックしますが、それよりも何よりも注意して読むのが和声です。なぜなら、和声の進行によって音楽をどう作るかが決まってくるからです。

クラシック音楽の特徴

クラシックとそれ以外の音楽の区別を一言で言うのは難しいと思いますが、敢えて言わせてもらえば、テンポが「一定しない」のがクラシックであり、テンポが一定なのがクラシック以外の音楽だと私は思います。

多くの場合、クラシック以外の音楽にはドラムなどのリズムを刻む楽器が入っています。そしてこのリズム楽器は基本的に一定のテンポを守るので、当然音楽全体のテンポも一定になります。ですからリズム楽器を機械に演奏させる(俗に言う”打ち込み”)ことも可能です。クラシック以外の音楽でも、中には途中でゆっくりになったり速くなったりするものもありますが、それはその部分だけで、またテンポが安定するとインテンポ(一定のテンポ)で曲が進んでいきます。

これに対して、クラシック音楽は小節単位、あるいは拍単位でテンポがめまぐるしく変わります。意外に思われますか?でも、もしクラシックの曲をメトロノーム(一定のリズムを刻む機械)に合わせたように完全にインテンポで演奏すると、聞くに耐えないほど退屈な音楽になり、曲の魅力の大部分は失われてしまいます。

ですから、指揮者はスコアを勉強する時、どのように曲のテンポを動かすかを考えます。とは言え、クラシック音楽をやっている以上、そのテンポの動かし方をデタラメに決めるわけにはいきません。その曲を作った作曲家が頭に思い描いたであろうテンポの動かし方、その曲が作られた時代や場所では「当たり前」だったテンポの動かし方を想像(研究)し、できるだけ忠実に再現しなくてはなりません。その時に大きなヒントになるのが和声進行です。

和音と和音記号


まずは和音と和音記号を学びましょう
下の楽譜はハ長調とハ短調の和音と和音記号です(出典:wikipedia

和音の機能


和音には機能(役割)があります。
特に重要なのが、トニカ(T)ドミナント(D)サブドミナント(S)の3つの和音です。それぞれの機能については、wikipediaの説明がよくまとまっていますので、譜例と共に引用させていただきます。

《トニカ(T)》

和声の中心となる機能である。この和音が鳴らされるとき、「落ち着き」「解放」「解決」「弛緩」といった印象を与える。「自宅」のイメージである。楽曲の最後はトニカで終わる。 I のほか、 VI も I の代理の時、トニカの機能を持つ(ドミナントから VI に終止する終止形は偽終止という)。 III もトニカの機能を持つことがある。

注)代理(和音)とは、ある和音の代わりに使われる和音で、似た響きを持ち、ほぼ同じ機能を持つ和音のことである。(中略)

《ドミナント(D))》

トニカの5度上の和音であり、トニカとは対照的に、「緊張」した印象を与える。「外出先」のイメージである。トニカに移行しようとする力が強い(トニカに移行するように緊張が解ける方向で移行することを解決と呼ぶ)。 V に第7音を加えて V7の和音で現れることが多く、 V9の和音もよく用いられる。また、 III や VII も V の代理の時、ドミナントの機能を持つ。

《サブドミナント(S)》

トニカの4度上、すなわち5度下の和音である。ドミナントほど強くないが、トニカに比べれば「緊張」した印象を与える。「発展」「外向的」な印象が強い。ドミナントに移行するか、トニカに解決する。 II や II7は、 IV とともに非常によく使われるサブドミナントである(ただし、 II はトニカには移行しない)。また、 VI が IV の代理和音としてサブドミナントの機能を持つことがある。(後略)

和声進行の基礎(カデンツ)


ここで、和声進行の基礎であるカデンツというものを紹介します。

カデンツとは

・T→D→T

・T→S→D→T

・T→S→T

のいずれかの和声進行のことを言います。この中で皆さんに一番馴染みがあるのはきっとT→S→D→Tの進行だと思います。なぜならこれは、音楽の授業の時の

「起り~つ(T)→気をつけ~(S)→礼~(D)→なおれ~(T)」

の進行だからです。

で、ここからが重要なところですが、D(礼)の和音に入る前に音楽が止まってしまうと、とても不自然な感じがする、ということです。誰でも「気をつけ~」で間延びすると早く「礼」になって欲しいと感じるはずです。
しかし不思議なことに、一度D(礼)に入ってしまうと、今度は少々その時間が長くなっても不自然には感じません。腰のあたりが痛くなってくるという身体的な不都合はあるかもしれませんが(笑)、音楽的には例えば、D(礼)の長さが、S(気をつけ~)の2倍あったとしても、ほとんど違和感を感じないと思います。逆にD(礼)の長さがS(気をつけ)より短くなってしまうと、何か勿体無いような、先生をバカにしているかのような奇妙な感じを受けると思います。
ただ、D(礼)の時間が長くなってもいいと言っても、このD(礼)の和音が鳴っている間は心情的に緊張感が続いています。そこがミソです。そして、その緊張の後にT(なおれ)が来ると、ホッとします。それは、「ああ、戻った~」という安堵感、喜びがあって、緊張が緩和するからです。

つまり、聴いていて気持の良い音楽を作るためには、Dの和音に入る前は音楽を進め、Dの和音に入ったら慌てずに自然とTに着地できるだけの時間を取る、という風にカデンツを作ることが必要になります。極言すれば、音楽を演奏するというのは、カデンツにおいて緊張→緩和の自然な流れを作ることだ、と私は思います。

以上のことは、多分に単純化して書いています。実際の曲は、例えそれが古典派の曲であっても、簡単にはDが見つからない場合もあります。作曲家は色々な形で曲の中でDを作るからです。もちろん一番基本的なⅤやⅤ7の和音で表れることも少なくありませんが、代理の和音で表れたり、三全音などの省略された形で表れたり、和音ではなく転調で作るDやリズムで作るDなどもあって、なかなか一筋縄ではいきません。
だからこそ、指揮者の勉強の最大の目的は、その様々なDをスコアの中に見つけ、作曲家が望んだカデンツを作ることだと私は思っています。

《補足》
三全音とは下の譜例(出典:三全音って何?)にあるような、ハ長調におけるファとその上のシの間の音程のことです。


この音程はとても不安定な感じがする音程で、ハ調のDの基本形であるV7(ソシレファ)の和音を転回(一番下の音を変える)して、下からファソシレの順に鳴らした時にも含まれる音程ですが、この2つの音だけでも、強烈に「解決」を求めたくなる響きを持っているため、Dの働きをします。

今日の動画


Mozart et les fonctions harmoniques
この動画はモーツァルトのピアノ・ソナタの演奏に合わせて、各和音の性格をイラストで表しているのですが、それがとても的を得ていて面白いです。和音の機能を理解するのに役立つと思います。
 



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アバド&シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ

 

Lucerne Festival at Easter

昨夜、まだ観ていなかったこのディスクの中からチャイコフスキーの「悲愴」を鑑賞。
指揮はクラウディオ・アバド、オーケストラはシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ。 

とにかく素晴らしい演奏でした。
「悲愴」はCDやDVDを合わせると10枚以上は持っていると思いますし、演奏会で実演にも多数触れてきましたが、私の中では文句なく一番感動的な演奏でした。一緒に聴いていた妻は号泣してました…。

シモン・ボリバル・ユース・オーケストラは「ユース・オーケストラ」ですから10代、20代の若者が中心なのですが、みんな音楽が本当に好きなのでしょう、弦楽器の一番後ろに座っている人に至るまで1人1人が体を揺らしながら、体全体で音楽を感じて演奏しています。そしてそんな様子からは、オーケストラの全員が「表現したい!」という熱い思いを持っていることがヒシヒシと伝わってきます。

そんな熱い情熱と弾けんばかりのエネルギーを持った若き音楽家を前にして、指揮のクラウディオ・アバド圧倒的な音楽性で、彼らをリードしていきます。アバドは(近年は特に)いつも素晴らしい演奏を聴かせてくれますが、現役の指揮者の中で「メロディーを歌わせる」ことにかけて、この人の右に出る人はいないと私は思います。

アバドの変幻自在の棒から紡ぎ出される音楽はどこまでも自由です。メトロノームに合わせているかのように「インテンポ」で進む小節は1つもないくらい、変わり続けるテンポと音色によってその表現力は他に類を見ないほど深まっていきます。4小節や8小節ではなく、32小節とか64小節とか、時には楽章全体と言ってもいいほどの、息の長いフレーズを聴かせる絶妙なアゴーギグ(緩急)はまさに名人芸。今、これができる指揮者はアバドだけではないでしょうか?

例えば4楽章。チャイコフスキーらしい哀愁を帯びた美しい旋律は有名ですが、アバドはその旋律の前に空気の振動が止まるかのような静謐な瞬間を作り出します。そして、その極上の「間」の後に再び空気が揺れ、流麗なメロディーが立ち上がってくる時の美しさと言ったら!筆舌に尽くしがたいものがあります。

このディスクの演奏は2年前の2010年で当時のアバドは77歳ですが、その音楽は微塵も老いを感じさせません。偶然、明日(6/26)はアバドの79歳の誕生日。とにかく、いつまでも元気でいて欲しいです。

エル・システマ

 ピースボートステーションより

ベネズエラには「エル・システマ」というクラシック音楽の教育制度があります。

これは1975年に「クラシック音楽を演奏させることによって、貧しい子供たちを善良な市民に育成し、麻薬や犯罪から守り、社会の発展に寄与させる」ことを目標に始まったもので、無料で子供たちに楽器を与えて、音楽の基礎知識や演奏を教える制度です。エル・システマのモットーは “Tocar y Luchar(奏でて戦う)”だそうです。
エル・システマの資金はベネズエラ政府や寄付によって賄われています。

シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ

 eplusより

人口2600万人のベネズエラには、全国30カ所に、約130のユース・オーケストラ、約60の子供オーケストラがあり、25万人の子どもたちが「エル・システマ」に参加しています。その中から選抜されたメンバーで組織したのがシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラです。犯罪が多発するベネズエラで「音楽は社会を変える力となる」という信念のもと、貧困層の子供たちに夢を与える存在となっています。その活動ぶりはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の首席指揮者や楽員の耳に入り、メンバーが無料指導したり、クラウディオ・アバドサイモン・ラトルといった指揮者が実際に客演で指揮もするほどになっています。

グスターボ・ドゥダメル

「今まで遭遇した中で、もっとも驚くべき才能を持つ指揮者」

「ドゥダメルと彼の若いオーケストラの音楽に対する情熱に深い感銘を受けた」

「これほどエキサイティングなベートーヴェンは何年ぶりだろう」

など、ラトル、アバド、バレンボイムら巨匠たちから惜しみない賛辞が贈られたグスターボ・ドゥダメル。まさに今、飛ぶ鳥を落とす勢いの新進の若手指揮者ですが、彼もエル・システマの出身です。
若干19歳でシモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラの音楽監督に就任。その後アバドやラトルのアシスタントを務め、25際の時、第1回グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールに優勝。ベルリン・フィルやウィーン・フィルをはじめ世界中の名門オーケストラに客演し、2009年からはアメリカの名門ロサンジェルス・フィルハーモニックの音楽監督を務めています。


日の動画

シモンボリバル・ユース・オーケストラ ノリノリのアンコール!



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佐渡裕さん

 

Photo by Yuji Hori

今日は私が「師」と仰ぐ指揮者の佐渡裕さんの誕生日です\(^o^)/
佐渡さんはタングルウッド音楽祭への参加をきっかけにレナード・バーンスタインの弟子になり、ブザンソン指揮者コンクールに優勝。その後はヨーロッパを中心に国際的に活躍されている日本を代表する指揮者です。昨年は日本人として近年では小澤征爾さん以来ベルリン・フィルの指揮台に立ち、センセーショナルな成功をおさめられました。多忙を極めるなか、2008年より「題名のない音楽会」の司会として毎週お茶の間にも登場。師のバーンスタイン同様、音楽の魅力を広く伝えることに尽力されています。
私は高校生の時からバーンスタインが最も好きな指揮者だったので、彼の最後の愛弟子になられた佐渡さんには強い憧れを抱いていました。そんな佐渡さんにお目にかかることができたのは、やはり敬愛する指揮者の本名徹次さんと一緒にヨーローッパを旅行させてもらった際に、本名さんのご紹介でパリでお食事をご一緒させていただいた時でした。
それだけでも十分幸せでしたが、幸運にも佐渡さんとのご縁はさらに続きました。

それから約1年後、演出家の宮本亜門さんの紹介で、音楽スタッフとして参加させてもらったプロダクション(バーンスタイン作曲「キャンディード)の指揮者が佐渡さんだったのです!
私は、音楽スタッフでしたが副指揮ではなかったので(このあたり少々ややこしいです…)、本来は稽古を指揮する立場にはなかったのですが、副指揮の人が来られない時は便宜上、稽古を振らせてもらっていました。何回目かのそんな稽古の時に、佐渡さんがたまたまその様子をご覧になっていたことがあって、その稽古の後に
「これからはお前が稽古を振れよ」
と言ってもらいました。とても光栄で嬉しい言葉でしたが、実はその頃の私は大学院を中退することは決めていたものの、まだ指揮者になることを決心しきれてはおらず、将来をどうしようか悩んでいる最中でもありました。
恥ずかしながら、そんな気持のまま稽古は進み、舞台は本番に入りました。私は音楽スタッフとしてマエストロを舞台袖までお連れして、インカムからの舞台監督の指示を受けて入場のキューを出す係を務めていたので、開演前の数分間は佐渡さんと二人きりの時間がありました。おそらく佐渡さんは、私が将来について悩んでいることを察して下さっていたのでしょう、二日目か三日目の本番直前のその時間に
「永野、指揮者やれよ。
 お前ならやっていけると思うし俺ができることは何でもバックアップするから。」

と言っていただきました。私は憧れの佐渡さんにそんな風に言っていただいて天にも昇る気持になりました。その瞬間に、モヤモヤした気持がすーっと消えていく感じがしたのをよく覚えています。
その後、やはり音楽を勉強するなら、佐渡さんも留学されていたウィーンがいいだろう、ということでウィーン国立音大の門を叩き、佐渡さんの推薦で野村国際文化財団の奨学金もいただきました。
帰国後も佐渡さんが兵庫県立芸術文化センターの芸術監督として年に2回上演されるオペラ公演には副指揮者として必ず呼んでいただきましたし、その他の公演でもアシスタントを務めさせていただいて素晴らしい経験を沢山積ませていただきました。

Photo by Jun Yoshimura

また、佐渡さんが日本にいらっしゃる時は、個人的な悩み相談に乗っていただいたことも一度や二度ではありません。佐渡さんはとにかく多忙を極めていらっしゃる方ですが、私がどうにもならない悩みを抱えて佐渡さんのもとを訪ねると、必ず人払いをして、二人きりの時間を作って下さいました。佐渡さんは日本人離れをした大きな体躯をされていますが、それよりもなお大きな心と懐をお持ちの方だといつも思います。
指揮者として仕事をしていく中で自信を失うことはしょっちゅうあります。でもそのたびに、前述の言葉に私は助けられました。というより、今でも指揮者としてオーケストラや歌い手さんの前に立つ時には、佐渡さんにいただいた言葉が心の支えになっています。
生活のこと、家族のことなど諸々ありまして、今は数学塾の方に生活の基盤を置いていますが、佐渡さんと深くお付き合いさせていただいた約10年の間に、指揮者としてはもちろん、人としても学んだことは計り知れません。すべては私のかけがえのない財産になっています。
あなたの「師」は誰ですか?
と問われたら、私は畏れながらも図々しく、
佐渡さんのお名前を挙げさせていただきます。
マエストロ、お誕生日おめでとうございます。
昨年(2011年)の一万人の第九

昨年(2011年)のベルリン・フィルデビュー

ap bank fes 05~HERO

 
ap bank fes’05 [DVD]

昨日、たまたまこの動画を観ました。

ちょっと古いですが、ap bank fes 05 でミスチルの桜井さんが「HERO」を歌うシーン。途中、感極まった桜井さんが歌えなくなってしまうところがあります。桜井さんがライブ中に涙を流すのはとても珍しいことだと思います。そしてその瞬間、何万人ものお客さんによる大合唱が始まるのでした…

“でもヒーローになりたい 
 ただ1人、君にとっての
 つまづいたり、転んだりするようなら
 そっと手を差し伸べるよ”

という歌詞にオーバーラップしてみんなが桜井さんに手を差し伸べる様子に、私は鳥肌が立ちました。「プロなのに歌えなくなるなんて」というのは、ここでは野暮だと思います。みんなの温かい気持ちがひとつになった本当に素晴らしい瞬間でした。

感動しました。

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