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『学び続ける理由~99の金言と考えるベンガク論。~』(戸田智弘著)に取り上げていただきました!

 

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昨日(2014/9/18)発売の『学び続ける理由 99の金言と考えるベンガク論。 』(戸田智弘著/ディスカバー21)でご紹介いただきました!

本書は15万部を超えるヒットとなった『働く理由 99の名言に学ぶシゴト論。 』の続編です。さっそく電子書籍版で拝読しましたが、引用していただいたのは拙書『根っからの文系のためのシンプル数学発想術』の中の次の一節でした。

そもそも数学は
「ものごとの本質を見抜こう」
「目に見えない規則や性質をあぶり出そう」
という精神を養い、筋道を立てて物事を考えていく力を養う学問です。抽象化すなわち本質をあぶり出すことこそ数学の最大の目標であると言っても、決して過言ではありません。(P165)

本書は「古今東西の名言とともに、『学ぶことの意味』を今こそ考えよう!」という趣旨のもとに書かれていて、11章にわたって勉強に関する99の『名言』が紹介されています。

私は第9章「数学を学ぶ意味」の中で取り上げていただきました。ちなみに同章のラインナップは

第9章 数学を学ぶ意味
No73 三田紀房『ドラゴン桜』(漫画)
No74 北野武(タレント、映画監督)
No75 永野裕之(数学塾塾長)
No76 新井紀子(情報学者)
No77 諏訪哲二(元高校教師、思想家)
No78 橋本武(元国語教師)
No79 アインシュタイン (理論物理学者)

となっています。他の章を見てみると、内田樹氏、寺山修司氏、ピーター・F・ドラッカー、ビスマルク、カール・セーガン、ヘーゲル、井上ひさし氏、山本五十六氏など錚々たるメンバーが並んでいますので、その中に加えていただいて大変光栄です。嬉し恥ずかしですが、とても励みになりました。

著者の学びのフィールドは多岐にわたっていて大変楽しめる本になっていると思います。ご自身は「支離滅裂」だと謙遜されていますが、常に学び続けてこられた姿勢には見習うべきところが多いです。ご興味のある方は是非!

数と宇宙の大きさを実感する

 

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photo credit: THEfunkyman via photopin cc

「1兆まで数えるとどれくらいかかる?」

先日、長女(5歳)にこう尋ねられたので、その場で概算をしてみました。

「1秒につき1ずつ数えたとして(←桁が増えてくると追いつかないでしょうが…)、1時間が3600秒で1日が24時間だから、1日で約9万秒か。まあ10万までは数えられることにしよう。1年では3650万ということだな……ってことは3年で約1億まで数えられる。
で、1兆は1億の1万倍だから……おぉ~3万年もかかるのか!」

と一人で驚いた後、長女に

「まったく眠らずに、食事もとらずに、ただひたすら数えたとしても3万年くらいかかるよ」

と言うと、

「ええ~~~~~っ!\(◎o◎)/!」

と、大いに驚く長女。よしよし、良いリアクションだΨ( ̄∇ ̄)Ψ

 

娘を驚かすことができて満足でしたが、3万年というのは確かに凄い年数です。1兆というのはそれくらい大きな数なのですね(聞いた話では人間が一生のうちに打つ鼓動は約30億回だそうです)。「兆」という単位は国家予算とか、細胞の数とかで見ることはありますが、普段はほとんど使わない単位です。いわんや「○兆個」のものを目にする機会は滅多にありません。私たちが「兆」のスケールを実感できないのは無理もないことです。

 

数字のモノサシ(寄藤 文平)

そういえば、最近こんな本を読みました。楽しいイラストと喩えで、数字の大きさを実感できるように工夫されています。

脳神経の本によれば、人間の脳は、「1」、「2」、「3」までは「豚」、「羊」、「猿」みたいな感じで、見ただけで数を感じとることができるそうです。4、5になると判別まで時間がかかるようになり、7を超えると「数える」ことをしないと数を感じ取れません。

「1、2、3、…4、…5、……いっぱい」

それが、人間の一番素直な数に対する感覚のようです。

なるほど。言われてみると確かにそうかもしれません。

そこで、数をもっと実感できるようになるために、自分なりのモノサシを持とうというのがこの本の趣旨だと思われます。例えば、体をモノサシに使うと、

爪の先から両腕までを使って、1万倍までを比較することができます。両腕を「1億」とすると、爪の先が「1万」、両腕が「1万」のとき、手のひらが「1000」、爪の先は「1」になります。

だそうです。本にはふんだんにイラストが入っていて(というかイラストが主役)、もっと直感的に理解できます。

 

さて、大きさが実感できないものとしては、やはり宇宙のスケールはその筆頭ではないでしょうか?(強引な展開ですいません)。そこで、太陽系の大きさと、宇宙に流れる時間を実感できる喩えを紹介しましょう。

 

太陽系の大きさ【太陽が東京ドームだったら】

Solar_system_scale-2

上の画像は太陽と各惑星の大きさを比較したものですが、これでもまだあまり実感できないかもしれませんね。惑星の大きさや、ついでに惑星の公転軌道の大きさを実感するには、清水義範さんの「おもしろくても理科」の中にある「太陽が東京ドームだったら」が面白いです。

太陽(直径約140万km)が東京ドーム(直径約200m、東京水道橋)だとすると…

  • 地球(直径約1万2500km)→直径約183cm。小金井市のあたりを周回。
  • 水星(直径約5000km)→直径約70cm。高円寺のあたりを周回。
  • 金星(直径約1万2000km)→直径約174cm。吉祥寺のあたりを周回。
  • 火星(直径約6800km)→直径約約97cm。立川市の西の外れあたりを周回。
  • 木星(直径約14万3000km)→直径約20.5m。沼津市のあたりを周回。
  • 土星(直径約12万km)→直径約17.2m。浜松のあたりを周回。
  • 天王星(直径約5万1000km)→直径約7.3m。大阪のあたりを周回。
  • 海王星(直径約4万9000km)→直径約7.1m。広島のちょっと手前あたりを周回。

こうして縮尺してくれると、分かりやすいですね!やっぱり木星と土星は桁違いです。

 

 

宇宙が誕生してから現在までが1年だとすると…【宇宙カレンダー】

Carl_Sagan_Planetary_Society カール・エドワード・セーガン(Carl Edward Sagan)

今度は、宇宙に流れている時間を実感してみましょう。最新の研究によると、ビッグバンによって宇宙が誕生してから現在までは約138億年です。とてつもない時間ですが、アメリカの天文学者カール・セーガンが1980年に放映されたテレビ番組(コスモス)の中で披露した「宇宙カレンダー」を使えば、非常に直感的にこの時間の長さを理解できます。宇宙カレンダーでは宇宙の誕生から現在までを1年に縮めて考えます(ただし、当時は宇宙の年齢を約150億年だとしていました)。

宇宙が誕生してから現在までが1年だとすると…

  • 1月1日:ビッグバン/宇宙誕生(138億年前)
  • 4月11日:銀河系誕生(100億年前)
  • 9月1日:太陽系誕生(46億年前)
  • 9月14日:地球誕生(45億年前)
  • 9月19日:原始生命誕生(39億年前)
  • 12月25日:恐竜出現(2億5千万年前)
  • 12月26日:哺乳類出現(2億年前)
  • 12月31日
      21時28分:猿人出現(400万年前)
      23時52分:現生人類出現(20万年前)
      23時59分37秒:農業の始まり(1万年前)
      23時59分48.5秒:文字の発明(5000年前)
      23時59分59.5秒:近代科学の開幕(200年前)

となります。つまり、人類が誕生してからまだわずか8分で、近代科学が幕を空けてからはわずか0.5秒しか経っていません。ちなみに太陽の寿命は翌年の5月くらいまでです(計算には↓の「宇宙カレンダー電卓」を使いました)。

宇宙カレンダー電卓

こうしてみると、私たちの人生なんてまばたき1回分くらいの「えっ?今なんかあった?」という程度のことかもしれません。でも、どんなに短くても私たちは次の「時間」を作る責任を持っています。この点について、「宇宙カレンダー」を紹介した番組の結びの言葉が大変示唆に富んでいますので引用したいと思います。

私たちは150億年にわたる宇宙の進化の継承者です。私たちは選択できます。生命を高め人間をつくった宇宙を知ることができます。反対に無意味な自己破壊で150億年の遺産を無駄にしてしまうこともできるのです。次の宇宙カレンダーの最初の1秒に何が起きるかは、私たちの知能と宇宙についての知識を使って、私たちが今ここで何をなすかにかかっているのです。


カール・セーガン「宇宙カレンダー」短縮版 – YouTube

【読書】東大の数学入試問題を楽しむ:長岡亮介

 

購入した本の画像5

 

職業柄(言い訳?)、本を購入する機会はとても多いです。

気になることや知りたいことがあれば、すぐにAmazonでポチッ。

気になることはなくてもAmazonからおすすめされればボチッ。

人様のブログや記事で面白そうに紹介されていればポチッ…

 

おかげで宅配のお兄さんとは外で会っても挨拶しちゃうくらいすっかり顔なじみです。当然、ダンボールは溜まる一方。以前、「いつかまとめて整理しよう」としばらく放っておいたらこんなことに…

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この時は全部つぶして、資源ごみ回収所まで運搬し…

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と大変な目にあったので、最近はこまめにまとめています。

 

…と、いきなり話は脱線してしまいましたが、とにかく本が増えていくわけです。ちなみに冒頭の画像は、ここ半年の間にAmazonで購入した書籍を集めて作ったコラージュです(そんな暇あったら読みなさい)。で、綺麗に並べたものはこちら↓(同)。

購入した本の画像4

すべて読みたくて購入したはずなのに、中にはこんなの買ったっけ?と思うものもありました(→o←)
これではいかん!

 

そこで、読書ブログを始めることにしました!

できれば週に1冊くらいのペースで読んで面白かった本をご紹介出来れば、と思います。

 

記念すべき第1回目は
長岡亮介先生

「東大の数学入試問題を楽しむ:数学のクラシック鑑賞」

です。

 


東大の数学入試問題を楽しむ: 数学のクラシック鑑賞
長岡亮介

 

本書を読むと、高校生時代に長岡先生の講義を受けて目からウロコが落ちまくった感動が蘇ります。長岡先生との出会いがなければ今の私はありません。氏は数学とは与えられたものを覚える学問ではなく、自分の手を動かして、自分の頭で考える学問だということを改めて、そして強烈に教えてくれた先生でした。

朝日新聞グローブ (GLOBE)|越境する数学
長岡亮介先生のインタビューです。

本書の「まえがき」には、予備校での講師時代につねづねこう言っていたとして

せっかく勉強をするなら、「馬が餌を食べるようにただひたすら問題を解く」のではダメだ。一流の料理人が、あるいは愛情溢れる母親が丹精込めて作った美味しい料理を心豊かにいただくことを通じて、心身が成長するように、品格の高い、考えるに値する、すばらしい良問をじっくりと楽しむようにやることを通じて、若者の知力は信じられないほど大きく成長する。エリートにふさわしい誇りと責任と哀しみを理解できるようになる。

とあります。

確かにこのフレーズは聞いた覚えがあります。当時も胸を熱くしたものです。

昨今の学生は素早く解けることをばかりを要求されて、じっくり考えることをしなくなっています。新しい問題、見たことのない切り口の問題を見ると「分かりません」というよりは「知りません」と音を上げる生徒が実に多いこと!今では一教育者となった私もこのことには危機感を抱いています。

本書に収められた東大の入試問題の中には随分と古いものもあります。しかしどれも出題された当時は斬新であると同時に示唆に富んでいて、その後の各大学、予備校、出版社の問題作成者に少なからず影響を与えたものばかりです。この中のいくつかは類題が入試、模試、問題集等を席巻したという意味で時代を作ったとさえ言えるかもしれません。「数学のクラシック鑑賞」という副題は言い得て妙だと思います。

本書の中でそんな「名作」たちに対して長岡先生が展開されている「解説」は問題を解くためのものからは大きく飛躍しています。「問題」を通して見える世界観と数学的に思索することの喜び・可能性が、豊かなイメージと共に圧倒的な説得力で語られています。

Amazonに「語り口が尊大傲慢」だとするレビューがありましたが、決してそんなことはありません。私を含め、多くの高校生がその情熱に感動し、数学の本質に触れる端緒となった伝説の講義そのままに、数学を学ぶ者への愛が言葉の端々に溢れています。

図らずも(?)同じ数学教師になった自分は長岡先生の足元にも及びません。でも数学を学ぶ意味と楽しさは一人でも多くの生徒さんに伝えて行きたい…本書を読んでまた胸が熱くなりました。

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