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必要条件と十分条件の使い方~【取材】おとなの数学活用術(日本フルハップ会員誌『まいんど』12月号)

 

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日本フルハップさんの会員広報誌「まいんど」の12月号に、先日の取材でお話した「おとなの数学活用術」が特集として掲載されました。

日本フルハップさんは、「中小企業における勤労者の福祉の向上を促進し、勤労者生活の質的向上を図ることを目的とした公益財団法人(HPより)」で、関西を中心に59万人(!)もの会員の方が加入されているそうです。取材の際もわざわざ関西から新幹線でお越しになりました。

数学の視点やノウハウをビジネスや暮らしに生かすためのアプローチとして私がご紹介したのは次の5つです。

  1. 因果関係や順序を守ろう
  2. 一般論と具体論を見極めよう
  3. 逆の視点を持とう
  4. 変換してみよう
  5. 掛け算で情報量を増やそう

改めて記事を拝見すると、例によって(?)マシンガンのように喋り倒した内容を、よくぞここまでかみ砕き、分かりやすい形でまとめていただいたものだと感心します。

本記事ではこの中から「1.因果関係や順序を守ろう」で触れた「必要条件と十分条件」について解説してみたいと思います。

 

必要条件と十分条件

必要条件と十分条件…ときどき耳にする言葉ですが、塾生の中でも2つの違いが理解できていない生徒さんは(学生も社会人も)多いです。社会人なら上司に

「お前は必要条件しか考えて無いじゃないか!ヽ(`Д´)ノ」

と怒られた経験がある人も少なくないでしょう。

まずは教科書的な定義から。


【必要条件と十分条件の定義】

P⇒(ならば)Qが真のとき
Pを(Qであるための)十分条件
Qを(Pであるための)必要条件

という。

注)「⇒」は「ならば」と読む論理記号です。


う~~ん、分かりづらいですよね。そこで、こんな例で考えてみましょう。

今、Pを「横浜市在住」、Qを「神奈川県在住」とすると、「PならばQ」すなわち「横浜市在住ならば神奈川県在住」はもちろん正しい命題(客観的に真偽が判定できる事柄)です。

これを図にすると

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のようになります。

このとき横浜市在住であることは、神奈川県在住であるために十分すぎるほど(お釣りがくるくらい)十分だという意味で横浜市在住のことを(神奈川県在住であるための)十分条件と言います。十分条件は「より厳しい条件」と言い換えることもできます。また上の例のように領域的に考えて「より小さい条件」が十分条件だと理解することも大切なことです。

一方、神奈川県在住であることは、横浜市在住であるために少なくとも必要だという意味で、神奈川県在住であることを(横浜市在住であるための)必要条件と言います。必要条件は十分条件の逆で「よりゆるい条件」あるいは「より大きい条件」と理解すると良いでしょう。

図にすると、こういうことです。

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明日のテストで学年トップになるための…

どうでしょうか?イメージが湧いてきましたか? ここで一つ例題を考えてみます。

 


【例題】
明日のテストで学年トップになるための必要条件と十分条件を言いなさい。


 

必要条件は、少なくとも必要な条件、言い換えれば最低限クリアしなくてはならない一番ゆるい条件です。何ですか?そうですね。「テストを受ける」ことです。他の人が全員0点なら、たとえ0点でも(全員同位ではありますが)「学年トップ」にはなれます。

一方、十分条件はどうでしょうか?こちらはお釣りがくるくらい十分な条件、言い換えれば一番厳しい条件を考えます。それは…「満点を取る」ことですね。まわりがどんなに優秀でも100点を取れば(同位が他にいたとしても)「学年トップ」になれることは確実です。

これを図にすると次のようになります。領域的に考えれば

テストを受ける>学年トップになる>満点を取る

になっていることに注意しましょう。

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必要条件と十分条件

 

『十分条件 ⇒ 必要条件』は必ず真(真偽の判定)

ある命題の真偽(正しいか間違っているか)を判定するには、この十分条件と必要条件の理解が必須です。これまで見てきたとおり、

十分条件 ⇒ 必要条件 はいつも「真」(正しい)

です。

十分条件=厳しい条件=「小」の条件
必要条件=ゆるい条件=「大」の条件

ことを考えれば、ある命題において

「小」の条件 ⇒ 「大」の条件 は真
「大」の条件 ⇒ 「小」の条件 は偽

と判定することができます。

では、このことを使って大学入試問題にチャレンジしてみましょう。

 


【問題(近畿大)】
命題「x<aならばx≦5である」が真であるような整数aのうち、最大のものを求めよ


 

【解答】

この命題が真になるためには「小 ⇒ 大」になっていれば良いわけです。。aが整数であることに注意すると、下の図より

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aが5より小さければ「小⇒大」になりますね。
いくつか書いてみると、

  • a=4なら「小⇒大」
  • a=5なら「小⇒大」
  • a=6なら「大⇒小」

となりますから、与えられた命題が真であるような最大の整数は5

だと分かります(^_-)-☆

 

詐欺を見抜く

一方、

「このツボを買えば癌が治る」

「英才教育を受ければ東大に合格する」

などの世間にはびこる「詐欺」の類はほとんど

「大」の条件(必要条件) ⇒ 「小」の条件(十分条件)

の形をしています。ツボを買った人の方が癌が治った人より(うんと)数は多いはずですし、英才教育を受けた人の中で東大に合格した人は(ごく)一部のはずだからです。

「なんか話がうますぎるなあ(・・?」

と思ったら相手の言い分が、

「大」の条件(必要条件) ⇒ 「小」の条件(十分条件)

になっていないかどうかをチェックする癖をつけると、騙されることが少なくなるかもしれません(∩_∩)

 

日本フルハップさんのCM

今回、日本フルハップさんに貴重な機会をいただけたことに大変感謝しています。お礼の気持をこめて(?)CMをご紹介します。

【助成篇】
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【ケガの保証篇】
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【新刊】問題解決に役立つ数学(PHP研究所)

 

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12/12にPHP研究所さんから出る新刊『問題解決に役立つ数学』の見本が届きました!\(^o^)/

デザインは寄藤文平さん杉山健太郎さん文平銀座)!寄藤さんは、私がこのブログでもご著作を紹介させていただいたことのある大好きな作家&イラストレーターさんなので、編集者の方からデザインが寄藤さんだと伺ったときはとても嬉しかったです。

あ~、好きだなあこのデザイン♪(*´∀`*)

さて、本書の目的は数学で培った問題解決能力を普段の生活や仕事に活かせるようになることです。私は本書を
「社会人になったら使わないのに、なんで数学なんて学ぶ必要があったの?」
という疑問にお答えするつもりで書きました。

ただし、数学と言っても題材は「整数」「確率(場合の数)」に限っています。なぜならこの2つの分野は誰にでも問題の意味が理解しやすく、また計算そのものは(小学生でもできるくらい)簡単なのに内容がたいへん深いからです。

数学が日常生活にいかに役立つものかを実感してもらうために、数学を離れた話題も随所に盛り込みました。例えばディズニーランドとか稲盛和夫氏とか老子とかバレンティン選手なんかも登場します。
(^_-)-☆

ご興味のある方は是非、お手に取ってみてくださいm(_ _)m

 

目次

はじめに 問題解決に役立つ数学

第1章 なぜ整数と確率なのか?

第2章 整数篇

  • 素を探る(素因数分解)
  • 情報を増やす(積をつくる)
  • 解をしぼりこむ(必要条件)
  • 周期性を見つける(合同式)
  • 抽象化する(文字式)
  • 間接的に証明する(背理法と対偶)
  • 足がかりを見つける(特殊解)
  • 数学的に推論する(帰納と演繹)
  • 予測の正しさを証明する(数学的帰納法)

第3章 確率篇

  • 100%を証明する(鳩の巣原理)
  • ものの数え方(順列と組み合わせ)
  • 逆の視点を持つ(余事象)
  • 「かつ」と「または」を理解する(ド・モルガンの法則)
  • 問題を置き換える(1対1対応の利用)
  • 「同様に確からしいか」を考える(ラプラスの確率)
  • 未来に目を向ける(期待値)
  • 原因をつきとめる(ベイズの定理)

コラム 卒業試験

おわりに 数学を仕事や生活に活かすために

 

「はじめに」より抜粋

情報化社会となった現代では価値観は驚くほど多様化しています。マジョリティに与しておけば安心とは言えなくなりました。加えて、一度解法の見つかった問題はすぐにアルゴリズムがつくられ、コンピュータを使って自動的に処理されるようになります。既存の問題を型どおりに解決できることの価値はどんどん下がっていると言えるでしょう。私は、言語として数学を操る言わば「数学リテラシー」が今ほど求められている時代はかつてなかったのではないかと思っています。現代に生きる私たちが仕事や生活の中で本当に解かなくてはならないのは、誰も解いたことのない新しい問題です。これを解決するために、論理的≒数学的に一歩一歩正解に近づいていく問題解決能力は文系・理系を問わず、現代人に必須の能力ではないでしょうか。昨今の「数学ブーム」はそのことに気づき始めている人が多くなった証拠だと思います。

 

【TV出演】NHK(Eテレ)「テストの花道」~もどりま表の活用例他(数学って面白い!)

 

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昨日放送の『テストの花道(NHK Eテレ)』に出演させていただきました。8月10月に続き3度目の機会に恵まれたことを感謝しています。今回のテーマは『数学って面白い!』。前回と前々回はインタビューでの出演でしたが、今回はスタジオでタレントさん相手に授業をさせてもらいました。
(^_-)-☆

数学苦手克服のポイントとして今回お伝えしたかった事は

・公式を丸暗記せずに、証明を理解する。

・『もどりま表』を使ってわかるところまで戻る。

の2点です。

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公式を丸暗記せずに、証明を理解する

「授業」の中では、三平方の定理の証明をピタゴラスの方法とアインシュタインの方法で2通り行いました。ピタゴラスの方法については、以前このブログでも紹介したものです。

三平方の定理(ピタゴラスの定理)の誕生秘話と証明&『大人のための数学勉強法』P129の問題の解説 < 永野数学塾塾長日記(永野裕之のblog)
アインシュタインの方法は3つの直角三角形の相似を使います。

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今回生徒として来てくれたういさん(佐藤初さん)ほんぴぃさん(小林歩乃佳さん)

「すごい!」
「はじめて数学にトキメキました♪」

などと感動してくれたのですが、番組は30分という限られた時間なのでこの部分はカットになりました。
(∩_∩;)

小中高で学ぶ12年間の算数・数学には、人類の誇る数学の賢人たちが到達した叡智の結晶が詰まっていますが、その本質はプロセスにあります。結果を暗記してそれに数字をあてはめるのは数学でも何でもありません。番組の最後に桜井進先生が
「数学の感動体験をつくることが大切です」
と仰っていました。私もまったく同感です。公式や定理の証明を通して
「あ~人間って賢いなあ」
という感動を味わえるようになれば、数学はきっと面白くなります!

常々申し上げている通り、数学ができるようになる唯一の道は丸暗記をやめることなのです。

数学が得意な人と苦手な人の違い < 永野数学塾塾長日記(永野裕之のblog)

 

もどりま表

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『もどりま表』は私が拙書『大人のための中学数学勉強法』のあとがきでまとめたものです。『テストの花道』では8月に出演させていただいた時にもご紹介しました。

 

あまり知られていないことのようですが、中学数学の各単元は大きく

  1. 数と式
  2. 関数
  3. 図形
  4. 資料の活用

に分かれています。これは指導要領にも明記されている分類です。

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高校数学についてはこの分類は必ずしも明確ではなく、例えば「ベクトル」などいくつかの分野の内容が横断的に含まれる単元もありますが、積み重ね学習である数学において今勉強している単元がどの分野の単元なのかを意識することはとても重要です。分からなくなったら、その分野の単元を少しずつ前にたどり
「これなら分かる」
と思えるところまで戻りましょう。そこから丹念に復習すればきっと分かるようになります。

番組では、ういさんとほんぴぃさんのお二人に『もどりま表』の活用を実践してもらいました。

 

『もどりま表』の活用例(その1)

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私がういさんに用意した問題はこれです。

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これは数IIの指数関数のグラフの問題ですが、どうやらグラフの平行移動についての理解が不十分のようでした。そこで同じ関数の分野で「指数関数」→「2次関数」と戻って、放物線のグラフを書きながらグラフの平行移動について復習しなおしました。

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すると…

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大正解\(^o^)/

この問題の詳しい解答はこちら(クリックで拡大します)↓

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『もどりま表』の活用例(その2)

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ほんぴぃさんには、数Ⅰの単元「数と式」からこんな問題を用意しました。

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この問題は一見簡単に見えますが、以下のように誤答してしまう人が非常に多い問題です。

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正解するためには、√(ルート)について

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という定義を正しく理解し、

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であることが分かっていなくてはいけません。もちろん絶対値についての理解も必要です。そこで同じ「数と式」の分野の中で「平方根」→「絶対値」と戻りました。

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すると…

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こちらも大正解\(^o^)/

詳しい解答はこちら↓

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NHKさんからまたこうして貴重な機会が頂けたことは大変励みになりました。公式の証明や『もどりま表』で、数学の苦手を克服する人が1人でも増えてくれれば一数学教師として大変嬉しく思います。

今回の放送の詳細は↓

NHK テストの花道 – 過去の放送 -「数学って面白い!」
なお、再放送は2013年12月7日(土)10:00~の予定です。m(_ _)m

本名徹次さんとベトナム国立交響楽団

 

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録画しておいた「ザ・ノンフィクション 『恋するバイオリン~素顔のベトナム国立交響楽団~』(フジテレビ 2013/11/24放送)を観ました。

本名徹次さんは、私が39年の生涯で最もお世話になった方です。そんな大恩人ではありますが、いつも最大限の尊敬と親しみをこめて「てっちぃ」と呼ばせていただいていますので本記事でも「てっちぃ」と書かせていただきます。m(_ _)m

私が中学生の頃から指揮者の井上道義先生に憧れていたことは以前にもここに書きましたが、てっちぃは道義先生の一番弟子でいらっしゃいます。大学3年生の時、道義先生のご紹介で初めててっちぃとお会いしたときの衝撃と感動は今も忘れることができません。私はそれまでの人生で、てっちぃほどまわりの人を幸せな気持ちにさせられる人に会ったことがありませんでした。

その時の感動をどうしてもお伝えしたくてご自宅に宛てて手紙を書いたところ、しばらくしててっちぃご自身から
「クリスマスパーティーに来ませんか?」
という嬉しいお誘いのお電話がありました!私としては、会って間もない自分のような者を招いて下さるのだから、きっとたくさんの方が集まるパーティーだろうと思っていたのですが、伺ってみるとなんとゲストは2人!
((((;゚Д゚))))
私は大いに緊張しました。そしてまた感動しました。

それからというもの、私は学業そっちのけ(?)で、てっちぃに付いてまわり、全国各地の様々なコンサートのリハーサルと本番にお邪魔しました。基本的に弟子をお取りにならないてっちぃは私のことも「友達だよ」と言って下さっていましたが、私の方は弟子あるいは付き人のような気持ちでずっと側に居させていただきました。

私の学友以外の人脈のほとんどはてっちぃに作って頂いたものです。
てっちぃは人を集めてワイワイやるのが大好きでいらっしゃいますが、いつも最高のタイミングで最高の出会いの場を作って下さいますので、てっちぃを通じて知り合いになった方とはとても深い繋がりになります。

そして、音楽家としてのてっちぃマエストロはいわゆる天才です。ボキャブラリーが貧困でごめなさいm(_ _)m。でも他の言葉では形容し難いものがあります。ご本人はその天才性にお気づきでない(?)のかいつも謙遜していらっしゃいますが、てっちぃのようにどんな時も自然な音楽をつくれる音楽家は本当に稀有な存在だと思います。

 

ベトナム国立交響楽団

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KAJIMOTO ©KOJIMA Ryusei ]

そんなてっちぃがベトナム国立交響楽団を初めて指揮されたのは2000年。翌2001年にはミュージック・アドヴァイザーに就かれ(現在は音楽監督・首席指揮者)、以来このオーケストラのためにそれはそれは大変な力を注いでこられました。昨年(2012年)はその長年の功績に対してベトナム政府より文化功労賞を授与されましたが、私からすれば受賞は遅すぎたくらいです。

それほどこのオーケストラに対しててっちぃが注いでこられたエネルギーは破格です。番組でも
「(このオーケストラとの関係は)運命だと思います
と仰っていましたが、確かにそう思っていらっしゃるのでなければあれほどの愛情は注げないと思います。もちろんその成果もめざましく、これまでに「千人の交響曲(第8番)」ベトナム初演を含むマーラー・チクルスやベートーヴェン・チクルスを完遂、日本、アメリカ、中国などでの海外ツアーも実現されました。

私自身もアシスタントとして何度もハノイに呼んでいただき、2007年にはオールバッハプログラムで指揮台にも立たせていただきました。下の画像は当時のチラシと終演後の写真です。

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てっちぃに呼んでいただくまでベトナムという国には行ったことがありませんでしたが、とにかく人が温かいのとご飯が美味しいことに私はすっかり魅了されました。そして、ハノイに流れるゆったりとした時間に身を委ねていると、きっと日本もかつてはこうだったんだろうなあという何とも言えない郷愁と、自分がアジアの一員であることの喜びを感じたものです。

番組に登場した今井信子さんのような超一流の演奏家がハノイに何度も足を運ぶのは、もちろんてっちぃのお人柄と熱意に打たれてのことだとは思いますが、ハノイの人と街の魅力にも背中を押されているに違いありません。

番組の最後に出てきた日本ツアーの初日、みなとみらいホールでの本番は私も客席で聴かせていただきました。かねてよりてっちぃが今回のツアーを「夢なんだよね」と仰っていただけに、胸が熱くなりました(下の写真は終演後の楽屋で撮っていただいたものです)。

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最近はてっちぃにお目にかかれる機会がめっきり少なくなってしまいましたが、いつも「足を向けては眠れない」、そんな気分でいます。

てっちぃマエストロとベトナム国立響の益々のご活躍をお祈り申し上げます。
あー、またハノイに行きたいなあ(*´∀`*)。

【新刊】根っからの文系のためのシンプル数学発想術(技術評論社)

 

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来週11/8(金)に発売される新刊「根っからの文系のためのシンプル発想術(技術評論社)」の見本が届きました!\(^o^)/

私の塾で短期間に数学の成績を伸ばす生徒さんに共通している点は、数学が苦手でも国語は得意だという点です。文章を読んだり書いたりすることが得意な生徒さんは、(本人は気づいていなくても)既に論理的にものごとを考えるための下地が十分にできあがっているので、ちょっとしたきっかけを与えるとあっという間に数学の力を伸ばします。そういうケースは跡を絶ちません。私はいつしか「国語力こそ数学力の源である」が持論になりました。

この本は文系の人が元来持っている数学の力、数学的発想力を呼び覚ますための本です。

本書を通して
「ああ、自分にも数学的に発想する力があったんだ」
と気づいてもらった上で数学的発想術を意識してもらえるようになること、それがこの本の最大にして唯一の狙いです。

とは言え、文系の方は数式にアレルギーがあることもよく知っています。そこで本書では数式をできるだけ使わないようにしました。レイアウトも縦書です。関連する数学の内容を紹介する部分(僅かです!)は横書きですが、横書きの部分は読み飛ばしてもらっても全体の理解には差し障りがないように配慮してあります。

数字や数式を使わずに数学的に発想するコツをお伝えしていく、というのは我ながら高いハードルでした。でも、数学力の源は豊かな国語力であることを示すためなら、そして数学を学ぶ意味と意義を分かってもらうためなら、挑む価値は大いにあったと思っています。
…この挑戦が成功であったかどうかの判断は読者の皆様にお任せしますm(_ _)m

追記(2013年11月14日):
日本経済新聞夕刊(2013年11月13日)の「エンジョイ読書」の欄に書評が載りました!

「元宇宙科学者でカリスマ数学塾の塾長を務める著者が、『自称文系』のあなたに、あの手この手で数学センスを伝授。食わず嫌いが治り、数学が大好きになる!(竹内薫)」

新聞に書評が載るのは初めての経験で、しかも尊敬する竹内薫先生に評していただいてとても嬉しいです♪

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追記2(2013年11月22日):
Gihyo.jpさんに寄稿しました。

【特別寄稿】今すぐ役立つ!文系のための数学的発想講座 ──演繹法と帰納法|gihyo.jp … 技術評論社

追記3(2013年12月12日):
歌人の佐藤真由美さんが嬉しいご感想をtweetして下さいました。

 

目次

はじめに:あなたは本当に「文系」ですか?

第1章:数学力を呼び覚まそう

  • 超数学的現代文読解法
  • 数学力を意識する

第2章:数学力とは何か

  • 算数と数学は違う
  • 誰もが持っている数学力
  • 数学力を伸ばす秘訣は覚えないこと
  • ヒラメキが必然になる

第3章:数学発想術~7つのパターン~

  • 7つのパターンで問題解決!

(1)整理する

  • 隠れた性質をあぶり出す分類
  • 血液型占いはなぜ人気があるのか?
  • 「図形の性質」を学んだ理由
  • 科学史に大きな足跡を残した「数学的」な分類
  • 掛け算的な整理
  • 次元が増えると世界が拡がる
  • Will-Skillマトリクス
  • 効率の良いチェックリストを持つ
  • ECRSチェックリスト(改善の4原則)

(2)順序を守る

  • 選ぶときは大→小
  • 必要条件と十分条件
  • 合理的に選択するための原則
  • 「証明」について
  • 正しい証明は小→大
  • 「風が吹けば桶屋が儲かる」は証明になっているか?

(3)変換する

  • 言い換える
  • 同値変形を活用する
  • 関数を理解する
  • 関数こそが真の因果関係
  • ①「原因」の候補が独立変数になっているかどうか
  • ②「原因」によって結果が1通りに決まるかどうか

(4)抽象化する

  • 抽象化=本質をあぶり出す
  • 共通する性質を抜き出す
  • 生活の中に溢れる抽象化
  • 抽象化の練習をしよう
  • モデル化
  • グラフ理論
  • ケーニヒスベルク問題
  • グラフ理論の応用

(5)具体化する

  • 具体例を示す
  • 「喩え」は具体例の進化形
  • 名言に学ぶ上手な喩えの作り方
  • 具体と抽象を往復する
  • 演繹法と帰納法
  • 演繹法と帰納法の欠点
  • 演繹と帰納の使い分け

(6)逆の視点を持つ

  • 怒りを鎮めるABC理論
  • 逆・裏・対偶
  • 背理法
  • アルキメデスと王冠
  • 背理法の落とし穴

(7)数学的美的センスを磨く

  • 指揮者の勉強
  • クラシック音楽の特徴
  • 和音と和音記号
  • 数学と音楽の共通点
  • 合理性を求める
  • 対称性を使う
  • 統一性を求める

 

中身をちょっとだけ紹介します(^_-)-☆

「第1章:数学力を呼び覚まそう」より
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「第3章:数学発想術~7つのパターン(1)整理する」より
(明)PA310287 

「第3章:数学発想術~7つのパターン(3)変換する 」より
(明)PA310289

「第3章:数学発想術~7つのパターン(4)抽象化する 」より
(明)PA310285

「第3章:数学発想術~7つのパターン(7)数学的美的センスを磨く 」より
(明)PA310294

「数式部分」
(明)PA310291

 

本書はなかなか実験的な試みだと思いますし、題材もワインだったり、惑星物理だったり、音楽だったりとかなり好き勝手に書かせていただきましたが、こういう本を世に出すことにご賛同をいただき、貴重な機会を与えて下さった技術評論社さんには心から感謝しております。

本書によって、1人でも多くの「文系」の方が数学コンプレックスを払拭してくれることを切に願っています。

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