Category Archives: 地学・宇宙

カッシーニが撮る土星による日食とペイル・ブルー・ドット(宇宙の美しい写真ギャラリー付)

 

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Image credit:NASA/JPL/Space Science Institute

上の写真(CGではありません!)は土星探査機のカッシーニが2006年に撮影したものです。この時はカッシーニ、土星、太陽が一直線に並んだため「土星による日食」となり、上のような幻想的な写真になったわけですが、実は日本時間の明日早朝(2013年7月20日午前6時27分~42分)にも同じような位置関係になることが分かっており、カッシーニから下のシミュレーションのような「土星による日食」の画像が届くことが期待されています。

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Image credit: NASA/JPL-Caltech

NASAではこれを特別な機会と捉え、カッシーニが地球方向を撮影するのと同時刻、地球に住む私たちも外に出て土星方向に手を振りその写真をFlickrFacebook、またはTwitter(ハッシュタグ:#waveatsaturn)で共有しようと呼びかけています。

参考記事⇒Cassini Solstice Mission: Wave at Saturn

カッシーニは地球から約15億km離れたところを飛んでいます。これは地球と太陽の距離のほぼ10倍です。このような太陽系の外縁部から地球方面を撮影した画像というのを私たちは2つしか持っていません。1つは冒頭の2006年の写真で、もう1つは1990年にボイジャー1号によって60億kmの距離から撮られた写真です。今回カッシーニから撮る写真は太陽系外縁部から地球を捉えた、人類史上3枚めの写真になるはずです。

 

ペイル・ブルー・ドット

1990年、ボイジャー1号にわずかに残された貴重な燃料で遂行された最後のミッションは遥か彼方から地球を写すことでした。下がその時の写真です。右側の茶色の帯の中央よりやや下に見える青白い点(ペイル・ブルー・ドット”the Pale Blue Dot”)が地球です。宇宙の中でいかに小さい存在かがよく分かります。「ペイル・ブルー・ドット」というのは、そんな儚い存在である私たちの地球を最大限の愛情をこめて呼んだ名前です。

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ちなみに、最後にもう一度だけボイジャー1号の姿勢を変えて地球に向けるように当時の管制官達を説得したのは、あのカール・セーガンでした。

 

ボイジャーのゴールデンディスク

ボイジャー1号と言えば、つい先日「太陽系の端に到達しつつある」とニュースになりましたね。このボイジャー1号には、地球外知的生命体に出会った時のために音声と画像が記録された金メッキのレコードが積まれています。中には地球上での生活風景を紹介する写真やベートーヴェンの運命、バッハのブランデンブルク協奏曲、ストラヴェインスキーの春の祭典、チャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」等の音楽が収録されています。

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また、日本語を含む55ヶ国語で次のようなメッセージも添えられています。

これは小さな、遠い世界からのプレゼントで、われわれの音、科学、画像、音楽、考え、感じ方を表したものです。私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです。—アメリカ合衆国大統領・ジミー・カーター

このディスクがいつの日か宇宙人の手に渡るかと思うとドキドキします。彼らは「運命」を聞いてどんな風に思うのでしょう?そして反対に同じようなディスクがいつか地球に届くことだって可能性はゼロではありません。そう考えると何だかロマンチックですよね~(⌒-⌒)

 

 

宇宙関連の美しい画像ギャラリー

今年の春~夏にかけてtwitterなどでご紹介した宇宙関連の美しい画像をまとめておきます。各画像はクリックするとオリジナルサイズに拡大します。

1)パンスターズ彗星

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画像元:Astrocamera.net

3/10に近日点に到達したパンスターズ彗星。日本では期待されたほど明るくは見えませんでしたが、アメリカではこんな風に美しく見えたようです。細い月との共演が幻想的ですね。

2)渦巻銀河M77

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Image Credit: NASA, ESA, André van der Hoeven

NASA / ESAのハッブル宇宙望遠鏡が発表した渦巻銀河M77の鮮明な画像。この中に知的生命体は…いないと考えるほうが不自然な気がします。

3)金環日食

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Taken by Nicole Hollenbeck on May 10, 2013 @ 70km south of Newman, Australia.

昨年日本で一大ブームになった金環日食が、5/10にオーストラリアで観測されました。右下に写っているのはレンズの反射だそうですがそれがまた幻想的です。

4)一本腕の渦巻き銀河

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Image Data: Subaru Telescope (NAOJ), Hubble Space Telescope

銀河系を含めてほとんどの渦巻銀河は2つ以上の「腕」を持っていますがありますが、ハッブル宇宙望遠鏡が捉えた「NGC4725」には腕が1つしかありません。だからどうした、と言われればそれまでですが美しいなあと。

5)塩湖に沈む木星、金星、水星、エルナス

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画像元:GREEK SKY

政情不安が続くギリシャ。しかし人間がどんなに混乱しようとも自然はかくも美しいです。画像は木星、金星、水星と(少し離れて)牡牛座のエルナスがAlikes塩湖の向こうに沈む様子

6)スーパームーンによるハロ

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Image Credit : Luis Argerich

6/22のスーパームーンによるハロ(光の輪)。スーパームーンの画像はたくさん見ましたが私的にはこれがダントツです♪

7)天の川と大気光

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Image Credit : John H. Moore

天の川と大気光の写真。非常に美しいです(*´∀`*)。ちなみに「大気光」というのはイオンの再結合などによって起きる大気の弱い発光のこと。太陽光や星明りがなかったとしても、この大気光のために夜空は完全な暗黒にはなりません。

8)夏至の日のストーンヘンジ

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画像元:Summer Solstice Sunrise at Stonehenge

古代遺跡ストーンヘンジの中心にある祭壇石から夏至の日に日の出を見ると、ヒールストーンと呼ばれる巨大な岩のちょうど中央に太陽が昇ります。設計者には天文学の知識があったのでしょう。5千年前から続く年に一度の幻想的な風景。

9)地球の四季と地軸の傾き

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画像元:NASA EARTH OBSERVATORY

季節は太陽からの距離ではなく地軸による傾きがもたらすものであることがよく分かる画像。季節によって太陽光のあたり方はこんなに違います。
左上:冬至、左下:夏至、右上:春分、右下:秋分(すべて北半球)

あなたはどの画像がお好きですか?(^_-)-☆

 

おまけ(4K映像の土星)

これは2014年春に公開予定の「In Saturn’s Rings」という映画の予告ですが、なんと一切CGは使われていないそうです!これまでNASAのミッションで実際に撮られた画像を繋ぎあわせて作られています。息を呑むほどの美しさは圧巻です!是非、画質をオリジナルにしてフルスクリーンで視聴されることをお薦めします。

あれから10年…はやぶさ打ち上げ記念日

 

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(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

ちょうど10年前の今日(2003年5月9日)、宇宙科学研究所(現JAXA)の小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられました。はやぶさは2005年夏にアポロ群の小惑星イトカワに到達しその表面を詳しく観測、サンプル採集を試みた後、2010年6月13日22時51分、60億kmの旅を終え、地球大気圏に再突入しました。

地球重力圏外にある天体の固体表面に着陸してのサンプルリターンは、世界初。また、はやぶさは、最も長い期間を航行し、地球に帰還した宇宙機(2,592日間)でもあります。

一般的には、地球に帰還した6月13日が「はやぶさの日」ということになっているようですが、大学院生として宇宙科学研究所にいた者としては、打ち上げから10年、というのも感慨深いのでこの記事を書いています。

私が宇宙研にいた頃、先輩諸氏から「はやぶさ」(←という名前はまだなかった)の計画を聞いて
「(月以外の星から)直接取ってきちゃうんですか!\(◎o◎)/!」
と、興奮したのをよく覚えています。惑星探査の研究者としてまだまだひよっ子だった自分にもそれがどれだけ画期的なことかは分かりました。でも研究というのはよっぽどの成果をあげない限り、世間から注目されることはありません。ですからこのミッションがやがて日本中を、いや世界中を感動の渦に巻き込むことになろうとはその時は夢にも思いませんでした。

時が経ち「はやぶさ」の打ち上げが成功した頃、私は既に大学院を中退しウィーンに留学しておりました。先輩、同輩方の苦労を思うと、打ち上げ成功の報せはとても嬉しかったですし、その後通信が途絶えてしまった時は、実に哀しくなりました。

通信が断続的になり、地球への帰還が大幅に延期された頃には正直
「帰還は難しいだろうな…」
と思いました。それだけにほとんどこのミッションのことを忘れかけていた(ごめんなさい!)約4年後にカプセルが大気圏に突入し・回収されたと聞いたときは
「なんてドラマティックな筋書きなんだ!」
とむちゃくちゃ驚き、そして感動しました。

当時の宇宙研は国内の一研究機関としては大きな予算を付けて頂いていたとはいえ、宇宙探査としては決して潤沢な資金があるわけではなく、人材も限られていました(おそらく今も)。 また、惑星探査はいつも
「そんなことを研究して何になるんだ?」
という世間様からの逆風を感じるものです。 そういう厳しい状況の中でも決して諦めなかったプロジェクトチームの皆さんには本当に頭が下がります。まさに奇跡の帰還です。

 

「はやぶさ」のミッションとして意義

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はやぶさがサンプルリターンに成功した小惑星は、惑星が誕生するころの記録を比較的よくとどめている化石のような天体で、この小惑星からサンプルを持ち帰ることで
「惑星を作るもとになった材料がどんなものか」
「惑星が誕生するころの太陽系星雲内の様子はどうか」

についての手がかりが得られます。また地球上でサンプルの分析が行えるため、回収される量が少量であってもその科学的意義は極めて大きいといえます。

ちなみに、これまで人類がサンプルを持ち帰った天体は月だけですが、月は変成してしまったため、月探査によって太陽系初期のころの物質について知ることはできませんでした。

はやぶさは最先端の工学的技術を習得する上でも大変重要な計画でした。今までのサンプル・リターン計画は、非常に大型のロケットが必要とされることから断念されてきましたが、より到達しやすい小惑星が見出されたことや、探査機の推進機関(エンジン)の高性能化により、実現可能となりました。 はやぶさ計画によって、電気推進、自律型の探査機技術、小天体からのサンプル採取、地球帰還から再突入などの技術が確立されたことは今後の宇宙探査にとって大きな一歩になったと思います。

 

JAXA|小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)

JAXAデジタルアーカイブス | 検索結果
「はやぶさ」大いなる挑戦!! (動画)
~ 世界初の小惑星サンプルリターン ~

 

当時のニュース

「帰還カプセル落下」のNHKニュース映像

 

 

関連映画

「はやぶさ」に関連する映画は3作作られています。

 

 

数と宇宙の大きさを実感する

 

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photo credit: THEfunkyman via photopin cc

「1兆まで数えるとどれくらいかかる?」

先日、長女(5歳)にこう尋ねられたので、その場で概算をしてみました。

「1秒につき1ずつ数えたとして(←桁が増えてくると追いつかないでしょうが…)、1時間が3600秒で1日が24時間だから、1日で約9万秒か。まあ10万までは数えられることにしよう。1年では3650万ということだな……ってことは3年で約1億まで数えられる。
で、1兆は1億の1万倍だから……おぉ~3万年もかかるのか!」

と一人で驚いた後、長女に

「まったく眠らずに、食事もとらずに、ただひたすら数えたとしても3万年くらいかかるよ」

と言うと、

「ええ~~~~~っ!\(◎o◎)/!」

と、大いに驚く長女。よしよし、良いリアクションだΨ( ̄∇ ̄)Ψ

 

娘を驚かすことができて満足でしたが、3万年というのは確かに凄い年数です。1兆というのはそれくらい大きな数なのですね(聞いた話では人間が一生のうちに打つ鼓動は約30億回だそうです)。「兆」という単位は国家予算とか、細胞の数とかで見ることはありますが、普段はほとんど使わない単位です。いわんや「○兆個」のものを目にする機会は滅多にありません。私たちが「兆」のスケールを実感できないのは無理もないことです。

 

数字のモノサシ(寄藤 文平)

そういえば、最近こんな本を読みました。楽しいイラストと喩えで、数字の大きさを実感できるように工夫されています。

脳神経の本によれば、人間の脳は、「1」、「2」、「3」までは「豚」、「羊」、「猿」みたいな感じで、見ただけで数を感じとることができるそうです。4、5になると判別まで時間がかかるようになり、7を超えると「数える」ことをしないと数を感じ取れません。

「1、2、3、…4、…5、……いっぱい」

それが、人間の一番素直な数に対する感覚のようです。

なるほど。言われてみると確かにそうかもしれません。

そこで、数をもっと実感できるようになるために、自分なりのモノサシを持とうというのがこの本の趣旨だと思われます。例えば、体をモノサシに使うと、

爪の先から両腕までを使って、1万倍までを比較することができます。両腕を「1億」とすると、爪の先が「1万」、両腕が「1万」のとき、手のひらが「1000」、爪の先は「1」になります。

だそうです。本にはふんだんにイラストが入っていて(というかイラストが主役)、もっと直感的に理解できます。

 

さて、大きさが実感できないものとしては、やはり宇宙のスケールはその筆頭ではないでしょうか?(強引な展開ですいません)。そこで、太陽系の大きさと、宇宙に流れる時間を実感できる喩えを紹介しましょう。

 

太陽系の大きさ【太陽が東京ドームだったら】

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上の画像は太陽と各惑星の大きさを比較したものですが、これでもまだあまり実感できないかもしれませんね。惑星の大きさや、ついでに惑星の公転軌道の大きさを実感するには、清水義範さんの「おもしろくても理科」の中にある「太陽が東京ドームだったら」が面白いです。

太陽(直径約140万km)が東京ドーム(直径約200m、東京水道橋)だとすると…

  • 地球(直径約1万2500km)→直径約183cm。小金井市のあたりを周回。
  • 水星(直径約5000km)→直径約70cm。高円寺のあたりを周回。
  • 金星(直径約1万2000km)→直径約174cm。吉祥寺のあたりを周回。
  • 火星(直径約6800km)→直径約約97cm。立川市の西の外れあたりを周回。
  • 木星(直径約14万3000km)→直径約20.5m。沼津市のあたりを周回。
  • 土星(直径約12万km)→直径約17.2m。浜松のあたりを周回。
  • 天王星(直径約5万1000km)→直径約7.3m。大阪のあたりを周回。
  • 海王星(直径約4万9000km)→直径約7.1m。広島のちょっと手前あたりを周回。

こうして縮尺してくれると、分かりやすいですね!やっぱり木星と土星は桁違いです。

 

 

宇宙が誕生してから現在までが1年だとすると…【宇宙カレンダー】

Carl_Sagan_Planetary_Society カール・エドワード・セーガン(Carl Edward Sagan)

今度は、宇宙に流れている時間を実感してみましょう。最新の研究によると、ビッグバンによって宇宙が誕生してから現在までは約138億年です。とてつもない時間ですが、アメリカの天文学者カール・セーガンが1980年に放映されたテレビ番組(コスモス)の中で披露した「宇宙カレンダー」を使えば、非常に直感的にこの時間の長さを理解できます。宇宙カレンダーでは宇宙の誕生から現在までを1年に縮めて考えます(ただし、当時は宇宙の年齢を約150億年だとしていました)。

宇宙が誕生してから現在までが1年だとすると…

  • 1月1日:ビッグバン/宇宙誕生(138億年前)
  • 4月11日:銀河系誕生(100億年前)
  • 9月1日:太陽系誕生(46億年前)
  • 9月14日:地球誕生(45億年前)
  • 9月19日:原始生命誕生(39億年前)
  • 12月25日:恐竜出現(2億5千万年前)
  • 12月26日:哺乳類出現(2億年前)
  • 12月31日
      21時28分:猿人出現(400万年前)
      23時52分:現生人類出現(20万年前)
      23時59分37秒:農業の始まり(1万年前)
      23時59分48.5秒:文字の発明(5000年前)
      23時59分59.5秒:近代科学の開幕(200年前)

となります。つまり、人類が誕生してからまだわずか8分で、近代科学が幕を空けてからはわずか0.5秒しか経っていません。ちなみに太陽の寿命は翌年の5月くらいまでです(計算には↓の「宇宙カレンダー電卓」を使いました)。

宇宙カレンダー電卓

こうしてみると、私たちの人生なんてまばたき1回分くらいの「えっ?今なんかあった?」という程度のことかもしれません。でも、どんなに短くても私たちは次の「時間」を作る責任を持っています。この点について、「宇宙カレンダー」を紹介した番組の結びの言葉が大変示唆に富んでいますので引用したいと思います。

私たちは150億年にわたる宇宙の進化の継承者です。私たちは選択できます。生命を高め人間をつくった宇宙を知ることができます。反対に無意味な自己破壊で150億年の遺産を無駄にしてしまうこともできるのです。次の宇宙カレンダーの最初の1秒に何が起きるかは、私たちの知能と宇宙についての知識を使って、私たちが今ここで何をなすかにかかっているのです。


カール・セーガン「宇宙カレンダー」短縮版 – YouTube

「第2の地球」続々発見!

 

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The Habitable Exoplanets Catalog – Planetary Habitability Laboratory @ UPR Arecibo

NASAの研究チームが昨日(2013年4月18日)、系外惑星探査機「ケプラー(Kepler)」の観測によって、地球とよく似た環境にある惑星を太陽系の外に3個発見したと発表しました。

そのうち、半径が地球の約1.4倍の「ケプラー62e(Kepler-62e)」と同約1.6倍の「ケプラー62f(Kepler-62f)」は、温度が極端に高くも低くもなく、液体の水が存在する可能性のある、いわゆる「ハビタブルゾーン(生命居住可能領域)」内にあるそうです。
(注:ハビタブルゾーンについては過去記事→「奇跡の星、地球」

 

ケプラー62eとケプラー62f

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Image credit: NASA Ames/JPL-Caltech

今回発見されたケプラー62fケプラー62eは、地球から約1200光年離れた恒星系「ケプラー62」のハビタブルゾーンに属する惑星です。特に「ケプラー62f」の大きさは地球のわずか1.4倍で、これまで見つかった系外惑星としては最も小さく、地球に最も似ています。また、ケプラー62eの大きさは地球の約1.6倍で、ハビタブルゾーンの端に位置しています。

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Image credit: NASA Ames/JPL-Caltech

これはデザイナーによるコンセプトイメージ。手前の大きな星がケプラー62fで、その奥に眩しく光る星が主星(ケプラー62)、その右側に小さく輝いている見えるのがケプラー62eです。

 

「第2の地球」が見つかり始めたのはごく最近のこと

太陽系の外にある惑星(系外惑星)は、近くに明るい恒星があるため観測が困難で、1990年代の初めまでは全く見つかっていませんでした。最初に見つかったのは1992年。観測技術の向上により、その後は続々と見つかっていますがほとんどは巨大なガス惑星であるホット・ジュピターや極端な楕円軌道を持つエキセントリック・プラネットであり、地球とよく似た環境にあるいわゆる「第2の地球」が見つかるようになったのはごく最近のことです。

現在(2013年4月19日)までに見つかっている「第2の地球」は、

  1. Gliese 581d(2007年)
  2. Gliese 581g(2010年)
  3. Kepler-22b(2011年)
  4. Gliese 667Cc(2011年)
  5. Gliese 163c(2012年)
  6. HD 40307g(2012年)
  7. Tau Cetie(2012年)
  8. Kepler-62e(2013年)
  9. Kepler-62f(2013年)

で、計9個です。ちなみにこれまで「第2の地球」候補とされてきた HD 85512 bとTau Cetifは、ハビタブルゾーンの基準を満たしていないとして最近除外されました。

 

地球型惑星と木星型惑星

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私たちの太陽系に属する8つの惑星は上の表のように地球型惑星木星型惑星に分かれます。一番大きな違いは地球型惑星の主成分が岩石なのに対して、木星型惑星の主成分はガスであることです。ちなみに上図は拙書『大人のための中学数学勉強法』より引きました。なんで中学数学の本に「太陽系惑星の分類」が載っているのかって?…これは「分類」は隠れた情報を引き出す優れた方法だというところの説明で例として挙げたものです(^_-)-☆

あ、話が逸れましたねm(_ _)m

地球型惑星と木星型惑星の違いは太陽からの距離の違いによって生じたと言われています。太陽からの距離が近い地球型惑星は温度が高いため、ガスが吹き飛ばされ、岩石の惑星になりました。一方、太陽からの距離が遠い木星型惑星は温度が低いためにガスが残り、ガスが主成分の巨大惑星になった、というわけです。

今回見つかったケプラー62fとケプラー62eも地球型惑星で岩石が主成分です。生命を育む海のような環境がある可能性もあるそうです!さらにNASAは、上の9つ以外にも「第2の地球」になる可能性がある系外惑星が18個あるとしています。

近い将来、宇宙の中で私たち人類が孤独ではないことが判明するかもしれません(^_-)-☆。

 

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ペルセウス座流星群と流れ星の正体

 

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明日(8月12日)~明後日(8月13日)にかけて、3大流星群の一つである「ペルセウス座流星群」が活動のピークを迎えます。この流星群は明るい流星が多く、途中で爆発を繰り返すものもあり、「花火のように派手な流星群」とも言われています。数ある流星群の中でも1年でもっとも見やすい流星群です。

ちにみに3大流星群とは

しぶんぎ座流星群(1月4日前後にピーク)

ペルセウス座流星群(8月13日前後にピーク)

ふたご座流星群(12月14日前後にピーク)

の3つの流星群のことを言います。

観測ガイド

2012年は月明かりが少なく見つけやすい条件が揃っています(関東は残念ながらあまり天気が良くないようですが…)。観望に最適な時間は、ペルセウス座が北東の空に姿を見せる8月12日の22時ごろから明け方まで。見る場所は、できるだけ広い範囲が見渡せる空の暗い場所です。

[上図の拡大を含め詳細は⇒ペルセウス座流星群(アストロアーツ社)

《追記:2013/08/12》
今年(2013年)は全国的に晴天で観測には好条件が揃っています。ピーク時には1時間あたり約50個の流れ星が観測できる可能性もあります。今年の観測について詳しいことは↓

【特集】2013年 ペルセウス座流星群

 

流れ星の正体

そもそも流れ星は、"星"ではありません。宇宙に漂う1m未満の大きさの"塵"流星物質と言います)がその正体です。

流星物質は地球大気に突入した際に、衝撃波による加熱で高温になり流星物質自身やその通り道になった大気が電離してプラズマ(気体分子が電離してイオンになった状態)になります。そして、これらのプラズマ物質は再結合する際に光を放つので、夜空にひと筋の光が流れたように見えます。それを私たちは「流れ星」と呼んでいるのです。

[プラズマについては⇒過去記事「X-1.4クラスの太陽フレア発生!」の中段]

流星物質の多くは過去に彗星から放出された塵であると考えられていますが、小惑星起源のものもあります。塵は母天体の軌道付近に帯状に分布し、この塵の帯(ダストトレイルと言います)が地球の公転軌道と交差する場合には、多くの流星物質が地球大気に突入するため流星群が見られることになります。

ちなみに今回のペルセウス座流星群は、「スイフト・タットル彗星」という彗星のダストトレイル(彗星の通った軌道)と地球の公転軌道(太陽のまわりを回る軌道)が交差するために出現する流星群です。

ペルセウス座流星群(アストロアーツ社)より]

NHKの子供科学相談のエライ人

「流れ星」と聞いていつも思い出すのが、このやりとりです。
NHKラジオの相談員には素晴らしい受け答えをできる人がいます。

子供
「流れ星に願い事を3回唱えると叶うって本当ですか?」
相談員
本当です。流れ星が流れるほんの一瞬の間に3回も願い事を言えるのは、あなたがいつもその願いを叶えたいと思っている証拠、つまり努力している証拠だからです。
(NHKラジオ:子供科学電話相談)

流れ星の美しい写真

流れ星の美しい写真を集めてみました。
タイトルをクリックすると大きな画像とソースの記事が見られます。


Meteor Over Crater Lake


Lighthouse and Meteor


Draconid Meteors Over Spain


Castle and Meteor by Moonlight


A Meteor Moment


Meteor between the Clouds


Mountain Top Meteors


A Leonid Meteor Over Sweden

今回のペルセウス座流星群の写真はこちら

Realtime Meteor Photo Gallery(流れ星の写真投稿サイト)

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