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語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学(気体の製法と性質篇)

 

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永野数学塾の「虎の巻」を公開する「語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学」シリーズ5回目の今日は、気体の製法と性質です。ここは試験でも頻出の分野ですのでしっかり勉強していきましょう!!少し長くなりますが、できるだけ体系立ててまとめましたので語呂合わせも参考にしながら、がんばってください!!

「17族 ハロゲン篇」 「16族 酸素・硫黄篇」
「15族 窒素・リン篇」 →「14族 炭素・ケイ素篇
→「気体の製法と性質篇 →「1族 アルカリ金属篇
→「2族 Mgとアルカリ土類金属篇 →「両性金属・水銀・合金篇
→「遷移元素と錯イオン篇 →「目次と語呂合わせのまとめ

気体の製法には大きく分けて以下の2つのパターンがあります。

  • 酸と塩基の反応
  • 酸化還元反応

それぞれを詳しく見ていきましょう。

 

酸と塩基の反応による気体の製法

酸と塩基の反応によって気体が発生するのは以下の3つのメカニズムのいずれかによるものです。

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ここで強酸と強塩基にはどのようなものがあったか復習しておきましょう。

強酸:HCl、HNO3、H2SO4

強塩基:NaOH、KOH、Ca(OH)2、Ba(OH)2

酸と塩基の強弱は、ここにあげた強いものを覚えて、他は弱いと覚えましょう!

ではいよいよ具体的に気体の製法を見ていきます。

 


A 弱酸の塩 + 強酸 → 強酸の塩 + 弱酸↑

二酸化炭素CO2

石灰石 + 希塩酸
CaCO3 + 2HCl → CaCl2 + H2O + CO2

硫化水素H2S

硫化鉄 + 希硫酸
FeS + H2SO4 → FeSO4H2S↑

二酸化硫黄SO2

亜硫酸水素ナトリウム + 希硫酸
Na2SO3 + H2SO4 → Na2SO4 + H2O + SO2

 


B 弱塩基の塩 + 強塩基 → 強塩基の塩 + 弱塩基↑

アンモニアNH3

塩化アンモニウム + 水酸化カルシウム【 加熱 ①
2NH4Cl + Ca(OH)2 → CaCl2 + 2H2O + 2NH3

※ 加熱については後でまとめます。①などの数字は分類です。

 


C 揮発性酸の塩 + 不揮発性酸 →不揮発性酸の塩 + 揮発性酸↑

塩化水素HCl

塩化ナトリウム + 熱濃硫酸【 加熱 ② 】
NaCl + H2SO4 → NaHSO4HCl↑

「揮発性の酸」塩化水素とフッ化水素(HF)「不揮発性の酸」濃硫酸だけを覚えておけば大丈夫です。

 

酸化還元反応による気体の製法

酸化・還元反応によって気体が発生するのは以下の4つのメカニズムのいずれかによるものです。

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「イオン化傾向」について復習しておきましょう。イオン化傾向とは金属を陽イオンになりやすい順にならべたものでしたね。

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  • このように水素よりイオン化傾向の大きい金属は酸化力のない酸にも溶けて水素を発生します。
  • Cu、Hg、Agは酸化力のある酸(硝酸や濃硫酸)に溶けて、NO 、NO2 、SO2 等を発生します。
  • 王水とは濃硝酸と濃塩酸を1:3で混合したものです。

 


A 水素よりイオン化傾向が大きい金属 + 酸

水素H2

亜鉛 + 希硫酸
Zn + H2SO4 → ZnSO4H2

 


B 水素よりイオン化傾向が小さい金属 + 酸化力のある酸

一酸化窒素NO

銅 + 希硝酸
3Cu + 8HNO3 → 3Cu(NO3)2 + 4H2O + 2NO↑

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二酸化窒素NO2

銅 + 濃硝酸
Cu + 4HNO3 → Cu(NO3)2 + 2H2O + 2NO2

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二酸化硫黄SO2

銅 + 熱濃硫酸【 加熱 ② 】
Cu + 2H2SO4 → CuSO4 + 2H2O + SO2

 


C 酸化剤 + 還元剤

塩素Cl2 (あとで詳しく触れます)

酸化マンガン(Ⅳ) + 濃塩酸【 加熱 ③ 】
MnO2 + 4HCl → MnCl2 + 2H2O + Cl2

酸素O2

過酸化水素【 MnO2 触媒 】
2H2O2 → 2H2O + O2

過酸化水素は酸化剤にも還元剤にもなる物質でしたね。
H2O2 → O2 + 2H + 2e(還元剤)…①
H2O2 + 2H + 2e → 2H2O(酸化剤)…②
①+②より
2H2O2 → 2H2O + O2

 


D 熱分解

酸素O2

塩素酸カリウム【 MnO2 触媒 】【 加熱 ④ 】
2KClO3 → 2KCl + 3O2

窒素N2

亜硝酸アンモニウム【 加熱 ④ 】
2NH4NO2 → 2H2O + 2N2

ここで、加熱が必要な反応についてまとめておきます。
上の【 】の中の丸数字は下の丸数字に対応しています。

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photo credit: Degilbo on flickr via photopin cc

次は気体の発生装置です。

 

気体の発生装置

個体と液体【加熱不要】

気体発生装置(加熱なし)

① 二叉試験管

突起のついた方に固体を、もう一方に液体を入れる。気体を発生させたい時は管を矢印の方向へ倒し、液体を固体の方に入れる。気体の発生を止めたい時は元に戻す。

② 三角フラスコ

三角フラスコの中に固体を入れ、滴下ロートのコックを開いて、液体を適量滴下した後、またコックを閉じておく。滴下ロートの先は必ず液面下にあるようにする。

③ キップの装置

活栓を開くとB内の圧力がさがって、液体試料がAから流下し、Cを満たしてBまで入ってくるので固体試料と液体試料が接触して気体が発生する。

活栓を閉めると、発生した気体がB内に閉じ込められ、その圧力で液体試料をBからCに押し下げるので固体試料と液体試料が離れ、気体の発生が止まる。

キップの装置2

 


固体と液体【加熱必要】気体発生装置(加熱あり)

④ 丸底フラスコ

丸底フラスコの中に固体を入れ、滴下ロートから液体を注ぐ。
三角フラスコを用いると割れるおそれがある。

 

 

 

 


固体と固体【加熱必要】気体の発生装置(固体と固体)

⑤ 試験管

発生した水蒸気が逆流して試験管が破裂するのを防ぐため
試験管の口を少し下げる

 

 

次は気体の補修方法と乾燥剤についてまとめておきます。

 

気体の捕集方法

水上置換 … 水に不溶な気体:( H2、O2、 N2、CO、 NO

上方置換 … 水に可溶で空気より軽い気体:( NH3

下方置換 … 水に可溶で空気より重い気体:( Cl2、HCl、SO2、H2S 等)

※ 空気の平均分子量:28

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乾燥剤

酸性乾燥剤濃硫酸 、P4O10

中性乾燥剤塩化カルシウム 、シリカゲル

塩基性乾燥剤酸化カルシウム 、ソーダ石灰

※ ソーダ石灰 = NaOH + CaO

乾燥剤として使えない組み合わせ

酸 + 塩基 【理由:中和反応を起こしてしまうのでダメ】

アンモニア + 塩化カルシウム 【理由:CaCl2・8NH3という化合物を生成するのでダメ】

硫化水素 + 濃硫酸 【理由:H2Sは還元性があるからダメ】

乾燥剤には上のように酸性、中性、塩基性のものがありますが、発生する気体と反応する乾燥剤を使うことはできません。つまり酸性の気体には塩基性の乾燥剤を、塩基性の気体には酸性の乾燥剤を使わないようにします。また特定の物質を生成する組合せも使えません。

 

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photo credit: pasukaru76 via photopin cc 

 

気体の性質

ここでは気体の性質についてまとめておきます。

中性の気体(=水に溶けない気体)

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塩基性の気体

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酸性の気体

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有色の気体

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漂白作用のあきる気体

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次は気体の製法の中で実験器具を含めて特に出題されやすい塩素の製法について詳しく学んでおきましょう。ハロゲン篇でも書きましたが、念のため(^_-)-☆

 

塩素の製法と精製

酸化マンガン(Ⅳ)に濃塩酸を加えて加熱すると、塩素が発生する。
揮発した塩化水素HClが混合するので、水の入った洗気びんに通じて、HClを溶かして除いた後、
混入した水蒸気を濃硫酸で乾燥する。

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気体の検出

最後に気体の検出についてまとめておきます。

CO2 の検出

  • 石灰水に通じるとCaCO3白色沈殿

ただし、過剰に通じるとこの沈殿は溶ける。
CO2 + Ca(OH)2 → CaCO3↓ + H2O
CaCO3 + CO2 + H2O → Ca(HCO3)2

 

NH3 の検出

  • 塩酸をつけたガラス棒を近づけるとNH4Cl (塩化アンモニウム)の白煙があがる。
  • 赤リトマス紙青変する。
  • 溶液はネスラー試薬赤褐色沈殿

アンモニアに塩酸をつけたガラス棒を近づけると白煙があがる様子の動画

ちなみに、塩化アンモニウムは再結晶させると綺麗な星形の結晶になります(^_-)-☆

 

Cl2、O3 の検出

  • ヨウ化カリウムデンプン紙が青変する。

Cl2もO3も酸化力があるのでヨウ化物イオンが酸化されて、
2I → I2
により、ヨウ素が生成しこれがデンプンとヨウ素デンプン反応を起こす。

 

H2S の検出

  • 酢酸鉛(CH3COOPb)をぬったろ紙に触れるとPbSを生じて黒変する。

 

以上です!お疲れ様でした。繰り返しますが、気体の製法と性質は超頻出分野です。
がんばってくださいね(^_-)-☆



語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学(14族 炭素・ケイ素篇)

 

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永野数学塾の「虎の巻」を公開する「語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学」シリーズ4回目の今日は、14族の炭素、ケイ素篇です。

「17族 ハロゲン篇」 「16族 酸素・硫黄篇」
「15族 窒素・リン篇」 →「14族 炭素・ケイ素篇
→「気体の製法と性質篇 →「1族 アルカリ金属篇
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→「遷移元素と錯イオン篇 →「目次と語呂合わせのまとめ

元素周期表(14族)

まずは炭素から!

 

炭素C

炭素は同素体(同じ元素からなる単体で性質の異なる物質)をもちます。

2013-05-03_1041

※ 炭素の化合物は5千万種類以上もあって、有機化合物の世界を作っている。

 

炭素の同素体

ダイヤモンド 炭素同素体構造

  • 電気を通さない
  • 非常に硬く融点が高い。
  • 立体網目構造。

 

黒鉛

  • 電気や熱を通す
  • 平面層状構造。

※ ダイヤモンドは4個の価電子が全て結合に使われ、上の図のような立体網目構造を作っているために非常に固くまた融点も高い。一方の黒鉛では3個の価電子が結合に使われ平面層構造を作っていて、1つの価電子が余っている。この余った価電子が結晶の平面内を金属の自由電子の様に動くことができるので黒鉛は電気を通す。

 

無定形炭素

  • 黒鉛の結晶が不規則に集合したもの。
  • 木炭、スス、カーボンブラックなど。
  • 多孔質構造のため吸着性があり、脱色剤・脱臭剤・水質浄化剤などに用いられている。

脱臭炭冷蔵庫用 大型

炭素の同素体にはダイヤモンド、黒鉛、無定形炭素の他にも20世紀末に以下の2つの同素体が発見されました。これらの同素体についはこれからの研究が期待されています。

フラーレンフラーレンとカーボンナノチューブ

  • 球状炭素分子。

カーボンナノチューブ

  • 筒状炭素分子。

 

炭素は化合物も重要です!

 

炭素の化合物

CO(一酸化炭素)

  • 無色・無臭。
  • 猛毒
  • 中性。水には不溶
  • 還元性がある。
  • 炭素の不完全燃焼で生じる

 

CO2(二酸化炭素)

  • 無色・無臭。
  • 水に少し溶けて弱酸性

CO2 + H2O → 2H+ + CO32

  • 固体はドライアイス
  • 石灰水(水酸化カルシウムの水溶液)に通すと以下の反応により白色沈殿

Ca(OH)2 + CO2 → CaCO3↓ + H2O

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ケイ素Siとケイ素の化合物

Si(ケイ素)

  • ダイヤモンドと同じ構造をもち、硬く、融点が高い。
  • 半導体の材料。
  • 単体は天然に存在せず、二酸化ケイ素をコークス(C)で還元することで得られる。

SiO2 + 2C → Si + 2CO

 

SiO2(二酸化ケイ素)

  • 水晶、石英の主成分として天然に存在。
  • 共有結合性結晶で硬く、融点が高い。

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Na2SiO3(ケイ酸ナトリウム)水ガラス

  • シリカゲルの原料。
  • 水を加えて加熱すると水ガラス=粘性の大きな液体になる。

 

SiO2・nH2O(シリカゲル)[nは0に近い任意の数。水分約5%]

  • 乾燥剤※1。
  • ケイ酸ナトリウムから得られたケイ酸(H2SiO3※2を加熱・乾燥することで得られる。

Na2SiO3 + 2HCl → 2NaCl + H2SiO3
(弱酸の塩 + 強酸 → 強酸の塩 + 弱酸)

ドライナウ 食品用乾燥剤 シリカゲル 5g×30個入

※1 シリカゲルは多数の小さな穴のあいた構造をもち、表面にある-OH基によって水分子を捕まえる。

シリカゲルシリカゲルの構造

※2 ケイ酸(H2SiO3)は非常に弱い酸。

 

セラミックス

ケイ砂(SiO2)、ケイ酸塩(ケイ酸イオンSiO32と金属イオンが結合した化合物)を含んだ粘土と石灰石などの無機物を高温処理してできる固体をセラミックスという。

代表的なセラミックス … 陶磁器、ガラス、セメントなど

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photo credit: H is for Home via photopin cc

セラミックスを作る工業をケイ酸塩工業(窯(よう)業)という。

 

練習問題

2013-05-10_1736

解答はコチラ

 

2013-05-10_1737

解答はコチラ



語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学(15族 窒素・リン篇)

 

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photo credit: Luciano Signorelli via photopin cc

永野数学塾の「虎の巻」を公開する「語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学」シリーズ3回目の今日は、15族の窒素、リン篇です。

「17族 ハロゲン篇」 「16族 酸素・硫黄篇」
「15族 窒素・リン篇」 →「14族 炭素・ケイ素篇
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元素周期表(15族)

まずは窒素から!

 

窒素N2と窒素の化合物

N2(窒素)

  • 空気中に約78%含まれる。
  • 無色・無臭。
  • 反応性に乏しい

NH3(アンモニア)

  • 無色、刺激臭
  • 水に溶けやすく水溶液は弱塩基性

NO(一酸化窒素)

  • 無色
  • 水に不溶

NO2(二酸化窒素)

  • 赤褐色
  • 水に溶けて硝酸(HNO3を生じる。

HNO3(硝酸)

  • 強酸
  • 強い酸化剤
  • 光で分解しやすいので褐色のビンに保存する。

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※ 1772年、ダニエル・ラザフォードが窒素を単体分離し、その中に生物を入れると窒息して死んでしまうことから noxious air(有毒空気)と命名した。ドイツ語では Sticken(窒息させる)と Stoff(物質)を組み合わせて Stickstoff と呼ばれており、日本語の名称「窒素」はこれを訳したものである。(窒素 Wikipedia

 

リンP

リンは同素体(同じ元素からなる単体で性質の異なる物質)をもちます。

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※ 人間の体内には成人男子で約700グラムのリン化合物が含まれている。細胞膜や遺伝子のDNA等に含まれていて生物が生きていく上での必須元素である。

 

リンの同素体

リンには白リン(黄リン)、赤リン、紫リン、黒リンなどの同素体が存在しますが、特に重要なのは白リン(黄リン)赤リンです。

白リン(黄リン)

  • 淡黄色。
  • 有毒の固体。
  • 自然発火のおそれがあるので水中に保存する。

※ 白リンと黄リンは同一物質である。黄リンは白リンの表面がわずかな赤リンで覆われているために黄色に見える。

赤リン

  • 赤褐色。
  • 毒性の低い粉末。
  • マッチに使われている

 

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左から白リン(黄リン)、赤リン、紫リン、黒リン

 

↓白リン(黄リン)の自然発火の動画…よく燃えております(・_・;)

 

 

リンの化合物

リンの化合物はリン酸と十酸化四リンをおさえましょう。

H3PO4(リン酸)

  • 三価の酸
  • 酸の強さは中程度酢酸よりは強く、塩酸よりは弱い)。

構造については→参考サイト

P4O10(十酸化四リン)

  • リンを燃やすと生じる。(4P + 5O2 → P4O10
  • 乾燥剤

 

人魂の正体はリン?

これは試験には出ませんが、ちょっと寄り道…(^_^;)

リンが自然発火をすることから、「人魂の正体はリンである」とする俗説があります。

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戦前の葬儀は土葬であったため、遺体から抜け出したリンが雨の日の夜に雨水と反応して光る現象は一般的であり、庶民に科学的知識が乏しかった事が人魂説を生み出したとする説もある(人魂 Wikipedia

確かに(前述のとおり)、リンは生物には欠かせない元素で人体にも約1%含まれていますが、人体に含まれるリンはリン酸カルシウムやリン酸マグネシウムという化合物の形をしているので、単体のリンの現象である自然発火が起きるのは考えにくい、というところに落ち着いているようです。

「人魂の正体はリン」は嘘

 

練習問題

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解答はコチラ

 

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解答はコチラ



語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学(16族 酸素・硫黄篇)

 

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photo credit: M+M Photographers via photopin cc

 
永野数学塾の「虎の巻」を公開する「語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学」シリーズ2回目の今日は、16族の非金属、酸素・硫黄篇です。

「17族 ハロゲン篇」 「16族 酸素・硫黄篇」
「15族 窒素・リン篇」 →「14族 炭素・ケイ素篇
→「気体の製法と性質篇 →「1族 アルカリ金属篇
→「2族 Mgとアルカリ土類金属篇 →「両性金属・水銀・合金篇
→「遷移元素と錯イオン篇 →「目次と語呂合わせのまとめ

元素周期表(16族)

まずは酸素から。

酸素O

地殻中に最も多く含まれる元素。

同素体(同じ元素からなる単体で性質の異なる物質)をもつ。

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酸素の同素体

O2(酸素) 

  • 無色・無臭。
  • 空気中におよそ20%含まれる。

O3(オゾン)

  • 特異臭のある淡青色の気体。
  • 酸化作用がある。
  • オゾン層では紫外線を吸収する。

次は硫黄です。硫黄も酸素と同じように同素体を持ちます。
また、硫黄ではその化合物に重要なものが多いのでしっかりと押さえておきましょう。

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硫黄の同素体

硫黄の同素体には、斜方硫黄、単斜硫黄、ゴム状硫黄の3つがあります。

S8(斜方硫黄)硫黄環状分子

  • 環状分子。
  • 黄色。
  • 塊状。
  • 常温で安定。

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(orthorhombic) Sulfur Photo by fluor_doublet

 

S8(単斜硫黄)硫黄環状分子

  • 環状分子。
  • 淡黄色。
  • 針状。
  • 高温で安定。

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S(ゴム状硫黄)硫黄鎖状分子

  • 鎖状分子。
  • 黄色。純度が落ちると、黒褐色となる
  • ゴム状。

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※ ゴム状硫黄は長らく黒褐色ということにされていたが、2009年に山形県の1人の高校生が純度が高ければ上の写真にあるような黄色いゴム状硫黄が得られることを実験で確かめた。指導教員が教科書の出版社に訂正を申し入れ、教科書が訂正されることになった。

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つぎは硫黄の化合物です。

 

硫黄の化合物

H2S(硫化水素)

  • 無色・腐乱臭
  • 弱酸性
  • 有毒。

SO2(二酸化硫黄)

  • 無色・刺激臭
  • 水に溶けて弱酸性
  • 漂白作用
  • 有毒。

通常は還元剤として働くが、H2Sに対しては酸化剤

H2SO4(硫酸)

  • 希硫酸は強酸
  • 濃硫酸には希硫酸にはない以下の4つの性質がある(濃硫酸は強酸ではないことも注意)。

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※ 「不揮発性」とは沸点が高く気体になりづらい(蒸発しづらい)ということである。ちなみに濃度98%の濃硫酸の沸点は327℃。

 

硫黄の酸化数について

ちょっと進んだ話をしましょう。
硫黄単体と硫黄の化合物の酸化数は以下の様になっている。

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これを見ると、硫化水素(H2S)はこれらの中で最も低い酸化数なので、これ以上酸化数が小さくなることはできない。したがって、酸化数は増えるしかないので、酸化されやすい。すなわち還元剤として働く。また二酸化硫黄(SO2)は酸化数ゼロの硫黄より酸化数+6の硫酸(H2SO4)の方が近いので普段は酸化数が増える傾向にある(還元剤として働く)が硫化水素(H2S)が相手の時は硫化水素が還元剤としてしか働けないので酸化剤として働く。

 

練習問題

では、問題をやってみましょう(^_-)-☆

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解答はコチラ

2013-05-03_1307

解答はコチラ

2013-05-03_1320

解答はコチラ



語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学(17族 ハロゲン篇)

 

large_5339525380 photo credit: oh estelle via photopin cc

永野数学塾では化学も教えていますが、私自身が大の暗記嫌い(というか大の苦手)なので、化学も数学同様極力、「なぜそうなるのか?」を説明しながら授業しています。

しかし、特に無機化学の分野はどうしても暗記せざるを得ないことが多いため、語呂合わせを使ったり、全体を体系だてて整理したりしています。そんな私のいわば「虎の巻」を、暗記が苦手な高校生の皆さんや、高校化学をおさらいしてみたい大人の方のために公開します!(←我ながら太っ腹w)。少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。

ちなみに、ここに書いてあることを頭に入れておけば、センター試験の無機化学分野は80~90%得点できるはずです!

初回の今日はハロゲンです。

「17族 ハロゲン篇」 「16族 酸素・硫黄篇」
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→「遷移元素と錯イオン篇 →「目次と語呂合わせのまとめ

ハロゲン(17族)

ハロゲンというのは下記の元素周期表において右から2 列目(17 族)の

F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、I(ヨウ素)At(アスタチン)

のことですが最後のAt(アスタチン)は知らなくても大丈夫です。

次の表にハロゲン単体の性質をまとめておきます。特に赤字になっているところがテストに出題されるので、要注意です!

 

ハロゲン単体の性質

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ハロゲン単体はがよく聞かれます。基本的に周期表の下にいくほど濃い色になりますが、フッ素と塩素は有色の気体としても有名です。高校数学でおさえておきたい有色の気体は他に、二酸化窒素(NO2:赤褐色)オゾン(O3:淡青色)がありますが、まとめて語呂合わせで覚えてしまいましょう。

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ハロゲンの酸化力(反応性)

ハロゲンは周期表の上にあるものほど反応性が激しくなります。一般に周期表の右上にいくほど電気陰性度(電子を引きつける力)は強くなりますが、電子を引きつける力が強いということは、それだけ酸化力が強いということです。

 

ハロゲン化水素

次はハロゲンと水素の化合物、すなわちハロゲン化水素です。ここで電気陰性度が極端に強いフッ素だけは仲間はずれになっていることに注意です。

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※ フッ素は電気陰性度が大変高いために陰性が強く、陽イオンであるHを強く引きつける。これにより分子間に水素結合が働き、弱酸になったり沸点が高くなったりする。またガラスの主成分はSiO2である。

 

 

ハロゲン化銀

ハロゲンと銀の化合物(ハロゲン化銀)についても見ておきましょう。

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ハロゲン化銀は、水やアンモニア水やチオ硫酸ナトリウム水溶液への溶解性も重要です。

表にまとめておきましょう。

《ハロゲン化銀の溶解性》
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※1 周期表の下にいくほどAg との電気陰性度の差が小さくなり、共有結合性が増すので溶け難い。

※2 チオ硫酸ナトリウムには錯イオン [Ag(S2O3)2]3 を作り可溶。

※3 AgCl はアンモニア水を過剰に加えると溶ける。

↓ はハロゲン化銀の沈殿実験。

 

フッ素の特異性

とにかく、フッ素はハロゲンの中で特殊なので、特異性をまとめておきます。

  • HF沸点が異常に高い(分子間に水素結合を生じるから)。
  • HFの水溶液は弱酸。他のハロゲン化水素の水溶液は強酸。
  • HFガラス(SiO2)を侵す
  • CaF2水に溶けない。他のハロゲンのカルシウム塩は溶ける。
  • AgF水に溶ける。他のハロゲン化銀は水に溶けない。

 

塩素の製法

ハロゲンの製法の内、特によく出題されるのが塩素の製法です。 塩素の製法には2つあります。

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↑ 洗気瓶の順序は超頻出問題です。また、反応式はしっかりと作れるようにしましょう。

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塩化物イオンによる沈殿

最後に水に不溶の塩化物を確認しておきましょう。 語呂合わせで覚えちゃって下さい(^_-)-☆

 

練習問題

さあ、それではここまでのことを踏まえて問題をやってみましょう。

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解答は⇒こちら

2013-05-01_1159

解答はこちら

以上です!お疲れ様でした!!
またお会いしましょう(^_-)-☆



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