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【監修】おとなの算数 (日経ホームマガジン)

 

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今年の春に一部を監修させていただいた日経おとなのOFFの記事が、ムックになりました!
全国のセブンイレブンを中心に販売されるそうです。\(^o^)/ 本誌に比べてぐっとコンパクトサイズで持ち運びがしやすく、またレイアウトも読みやすくなっています。しかも(←ここ重要)お値段は500円と相当リーズナブルです!

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内容は

  • 算数で脳のアンチエイジング
  • 数学が得意になる!6つのアプローチ
  • “岩波メソッド"2桁×2桁の暗算を2時間でマスターする
  • “高濱式メソッド"「算数脳」をつくる
  • 判断力、分析力が必要な“難問"で脳トレ
  • 幾何学がつくり出す建築美
  • 時空を超えた数学で表す美の基準
  • おもしろ数学小噺
  • 和算入門 世界最高峰だった江戸時代の算術に迫る
  • 数学界のオールスターズ ひらめき列伝

など実に盛りだくさん!これで500円は本当にお買い得だと思います(しつこい)。

どの記事も大変興味深いのですが、個人的には「和算入門」が特に面白かったです。鎖国中の江戸時代にあって和算が世界の最高水準にあったのは、先人が(敢えて)解を付けずに出した問題に腕に憶えのある者が謎解き感覚で挑戦する「遺題継承」という文化があったからだと言われています。当時の江戸では学者でもなんでもない庶民がなんと「8次方程式」に挑戦していたそうです。こんな国は世界中を探しても他に類を見ません。私たち日本人のDNAにはそんな旺盛な知的好奇心が刻まれているのです!本書には当時の江戸庶民が夢中になった代表的な和算の問題がたくさんの図版と共に大変分かりやすくまとめられています。お正月休みに挑戦してみるのもいいかも!?(^_-)-☆

 

数学が得意になる!6つのアプローチ

私が監修させて頂いたのは「数学が得意になる!6つのアプローチ」です。タイトルだけご紹介します。

  1. 因果関係をおさえる(必要・十分を考える)
  2. 視覚化する
  3. 帰納的に考える
  4. 逆を考える
  5. ゴールからスタートする
  6. 対称性を見つける

この記事に関してはWEB版日本経済新聞でもご覧いただけます↓

ここが違う 数学が苦手な人、得意な人の「考え方」 :日本経済新聞

一応Amazonのリンクも貼っておきますが、セブンイレブンの方が手に入りやすいかもしれません
(^_-)-☆

 

【追記 2014年1月5日】
塾の近所のセブンイレブン(大和中央林間3丁目店)にもありました!(∩_∩)
日経ホームマガジン「大人の算数」セブンイレブン

必要条件と十分条件の使い方~【取材】おとなの数学活用術(日本フルハップ会員誌『まいんど』12月号)

 

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日本フルハップさんの会員広報誌「まいんど」の12月号に、先日の取材でお話した「おとなの数学活用術」が特集として掲載されました。

日本フルハップさんは、「中小企業における勤労者の福祉の向上を促進し、勤労者生活の質的向上を図ることを目的とした公益財団法人(HPより)」で、関西を中心に59万人(!)もの会員の方が加入されているそうです。取材の際もわざわざ関西から新幹線でお越しになりました。

数学の視点やノウハウをビジネスや暮らしに生かすためのアプローチとして私がご紹介したのは次の5つです。

  1. 因果関係や順序を守ろう
  2. 一般論と具体論を見極めよう
  3. 逆の視点を持とう
  4. 変換してみよう
  5. 掛け算で情報量を増やそう

改めて記事を拝見すると、例によって(?)マシンガンのように喋り倒した内容を、よくぞここまでかみ砕き、分かりやすい形でまとめていただいたものだと感心します。

本記事ではこの中から「1.因果関係や順序を守ろう」で触れた「必要条件と十分条件」について解説してみたいと思います。

 

必要条件と十分条件

必要条件と十分条件…ときどき耳にする言葉ですが、塾生の中でも2つの違いが理解できていない生徒さんは(学生も社会人も)多いです。社会人なら上司に

「お前は必要条件しか考えて無いじゃないか!ヽ(`Д´)ノ」

と怒られた経験がある人も少なくないでしょう。

まずは教科書的な定義から。


【必要条件と十分条件の定義】

P⇒(ならば)Qが真のとき
Pを(Qであるための)十分条件
Qを(Pであるための)必要条件

という。

注)「⇒」は「ならば」と読む論理記号です。


う~~ん、分かりづらいですよね。そこで、こんな例で考えてみましょう。

今、Pを「横浜市在住」、Qを「神奈川県在住」とすると、「PならばQ」すなわち「横浜市在住ならば神奈川県在住」はもちろん正しい命題(客観的に真偽が判定できる事柄)です。

これを図にすると

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のようになります。

このとき横浜市在住であることは、神奈川県在住であるために十分すぎるほど(お釣りがくるくらい)十分だという意味で横浜市在住のことを(神奈川県在住であるための)十分条件と言います。十分条件は「より厳しい条件」と言い換えることもできます。また上の例のように領域的に考えて「より小さい条件」が十分条件だと理解することも大切なことです。

一方、神奈川県在住であることは、横浜市在住であるために少なくとも必要だという意味で、神奈川県在住であることを(横浜市在住であるための)必要条件と言います。必要条件は十分条件の逆で「よりゆるい条件」あるいは「より大きい条件」と理解すると良いでしょう。

図にすると、こういうことです。

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明日のテストで学年トップになるための…

どうでしょうか?イメージが湧いてきましたか? ここで一つ例題を考えてみます。

 


【例題】
明日のテストで学年トップになるための必要条件と十分条件を言いなさい。


 

必要条件は、少なくとも必要な条件、言い換えれば最低限クリアしなくてはならない一番ゆるい条件です。何ですか?そうですね。「テストを受ける」ことです。他の人が全員0点なら、たとえ0点でも(全員同位ではありますが)「学年トップ」にはなれます。

一方、十分条件はどうでしょうか?こちらはお釣りがくるくらい十分な条件、言い換えれば一番厳しい条件を考えます。それは…「満点を取る」ことですね。まわりがどんなに優秀でも100点を取れば(同位が他にいたとしても)「学年トップ」になれることは確実です。

これを図にすると次のようになります。領域的に考えれば

テストを受ける>学年トップになる>満点を取る

になっていることに注意しましょう。

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必要条件と十分条件

 

『十分条件 ⇒ 必要条件』は必ず真(真偽の判定)

ある命題の真偽(正しいか間違っているか)を判定するには、この十分条件と必要条件の理解が必須です。これまで見てきたとおり、

十分条件 ⇒ 必要条件 はいつも「真」(正しい)

です。

十分条件=厳しい条件=「小」の条件
必要条件=ゆるい条件=「大」の条件

ことを考えれば、ある命題において

「小」の条件 ⇒ 「大」の条件 は真
「大」の条件 ⇒ 「小」の条件 は偽

と判定することができます。

では、このことを使って大学入試問題にチャレンジしてみましょう。

 


【問題(近畿大)】
命題「x<aならばx≦5である」が真であるような整数aのうち、最大のものを求めよ


 

【解答】

この命題が真になるためには「小 ⇒ 大」になっていれば良いわけです。。aが整数であることに注意すると、下の図より

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aが5より小さければ「小⇒大」になりますね。
いくつか書いてみると、

  • a=4なら「小⇒大」
  • a=5なら「小⇒大」
  • a=6なら「大⇒小」

となりますから、与えられた命題が真であるような最大の整数は5

だと分かります(^_-)-☆

 

詐欺を見抜く

一方、

「このツボを買えば癌が治る」

「英才教育を受ければ東大に合格する」

などの世間にはびこる「詐欺」の類はほとんど

「大」の条件(必要条件) ⇒ 「小」の条件(十分条件)

の形をしています。ツボを買った人の方が癌が治った人より(うんと)数は多いはずですし、英才教育を受けた人の中で東大に合格した人は(ごく)一部のはずだからです。

「なんか話がうますぎるなあ(・・?」

と思ったら相手の言い分が、

「大」の条件(必要条件) ⇒ 「小」の条件(十分条件)

になっていないかどうかをチェックする癖をつけると、騙されることが少なくなるかもしれません(∩_∩)

 

日本フルハップさんのCM

今回、日本フルハップさんに貴重な機会をいただけたことに大変感謝しています。お礼の気持をこめて(?)CMをご紹介します。

【助成篇】
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【ケガの保証篇】
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【TV出演】NHK(Eテレ)「テストの花道」~もどりま表の活用例他(数学って面白い!)

 

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昨日放送の『テストの花道(NHK Eテレ)』に出演させていただきました。8月10月に続き3度目の機会に恵まれたことを感謝しています。今回のテーマは『数学って面白い!』。前回と前々回はインタビューでの出演でしたが、今回はスタジオでタレントさん相手に授業をさせてもらいました。
(^_-)-☆

数学苦手克服のポイントとして今回お伝えしたかった事は

・公式を丸暗記せずに、証明を理解する。

・『もどりま表』を使ってわかるところまで戻る。

の2点です。

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公式を丸暗記せずに、証明を理解する

「授業」の中では、三平方の定理の証明をピタゴラスの方法とアインシュタインの方法で2通り行いました。ピタゴラスの方法については、以前このブログでも紹介したものです。

三平方の定理(ピタゴラスの定理)の誕生秘話と証明&『大人のための数学勉強法』P129の問題の解説 < 永野数学塾塾長日記(永野裕之のblog)
アインシュタインの方法は3つの直角三角形の相似を使います。

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今回生徒として来てくれたういさん(佐藤初さん)ほんぴぃさん(小林歩乃佳さん)

「すごい!」
「はじめて数学にトキメキました♪」

などと感動してくれたのですが、番組は30分という限られた時間なのでこの部分はカットになりました。
(∩_∩;)

小中高で学ぶ12年間の算数・数学には、人類の誇る数学の賢人たちが到達した叡智の結晶が詰まっていますが、その本質はプロセスにあります。結果を暗記してそれに数字をあてはめるのは数学でも何でもありません。番組の最後に桜井進先生が
「数学の感動体験をつくることが大切です」
と仰っていました。私もまったく同感です。公式や定理の証明を通して
「あ~人間って賢いなあ」
という感動を味わえるようになれば、数学はきっと面白くなります!

常々申し上げている通り、数学ができるようになる唯一の道は丸暗記をやめることなのです。

数学が得意な人と苦手な人の違い < 永野数学塾塾長日記(永野裕之のblog)

 

もどりま表

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『もどりま表』は私が拙書『大人のための中学数学勉強法』のあとがきでまとめたものです。『テストの花道』では8月に出演させていただいた時にもご紹介しました。

 

あまり知られていないことのようですが、中学数学の各単元は大きく

  1. 数と式
  2. 関数
  3. 図形
  4. 資料の活用

に分かれています。これは指導要領にも明記されている分類です。

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高校数学についてはこの分類は必ずしも明確ではなく、例えば「ベクトル」などいくつかの分野の内容が横断的に含まれる単元もありますが、積み重ね学習である数学において今勉強している単元がどの分野の単元なのかを意識することはとても重要です。分からなくなったら、その分野の単元を少しずつ前にたどり
「これなら分かる」
と思えるところまで戻りましょう。そこから丹念に復習すればきっと分かるようになります。

番組では、ういさんとほんぴぃさんのお二人に『もどりま表』の活用を実践してもらいました。

 

『もどりま表』の活用例(その1)

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私がういさんに用意した問題はこれです。

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これは数IIの指数関数のグラフの問題ですが、どうやらグラフの平行移動についての理解が不十分のようでした。そこで同じ関数の分野で「指数関数」→「2次関数」と戻って、放物線のグラフを書きながらグラフの平行移動について復習しなおしました。

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すると…

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大正解\(^o^)/

この問題の詳しい解答はこちら(クリックで拡大します)↓

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『もどりま表』の活用例(その2)

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ほんぴぃさんには、数Ⅰの単元「数と式」からこんな問題を用意しました。

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この問題は一見簡単に見えますが、以下のように誤答してしまう人が非常に多い問題です。

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正解するためには、√(ルート)について

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という定義を正しく理解し、

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であることが分かっていなくてはいけません。もちろん絶対値についての理解も必要です。そこで同じ「数と式」の分野の中で「平方根」→「絶対値」と戻りました。

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すると…

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こちらも大正解\(^o^)/

詳しい解答はこちら↓

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NHKさんからまたこうして貴重な機会が頂けたことは大変励みになりました。公式の証明や『もどりま表』で、数学の苦手を克服する人が1人でも増えてくれれば一数学教師として大変嬉しく思います。

今回の放送の詳細は↓

NHK テストの花道 – 過去の放送 -「数学って面白い!」
なお、再放送は2013年12月7日(土)10:00~の予定です。m(_ _)m

【TV出演】NHK(Eテレ)「テストの花道」~ゴールから考える!(証明問題の解き方)

 

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昨日放送されたNHK Eテレ「テストの花道」に出演させていただきました。前回8月に続いて2回めになります。今回のテーマは「ゴールから考える!」でした。[※ 再放送は10/19(土)午前10時~]

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900mlと400mlのコップを使って600mlを量る

「ゴールから考える」のトレーニングとして最初にやった問題はこれです。

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どうしたら良いでしょう?なかなか手ごわそうですね…(・_・;)

コップの問題-2

 

さあ、ゴールをイメージしましょう。600mlの水は400mlのコップには入りませんから、最後に水は900mlのコップに入っているはずですね。つまり、私たちがイメージするべきゴールはこうです。

コップの問題-5

ではこのゴールの1つ前はどのような状態でしょう?それは…

コップの問題-3

そうなんです!ゴールの1つ前を考えれば300mlを量り取れればいいことが分かります。と、言っても300mlを量るのもそう簡単ではありませんね…そこで!さらにこの1つ前(ゴールの2つ前)を考えてみましょう。今度は400mlのコップを使います。

コップの問題-4

と、100mlが余計なことが分かります。つまりこの問題は100mlを量り取ることさえできれば、上のプロセスを逆にたどることで正解を導くことができるのです!具体的には次のようにします。

コップの問題-1

ちなみにスタジオでは所さんが見事に正解されていました。さすが!

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「ゴールから考える」を証明に活かす!(例:相加・相乗平均)

証明が苦手

証明というのは、仮定から結論が導かれるプロセスを論理的に表すことです。

証明を苦手にしている生徒さんはたくさんいます。特に
「どう始めたらいいか分からない…(・・?」
と、最初の糸口が見つからない人が多いようです。そんなときこそ「ゴールから考える」の出番です!証明問題というのは先に結論がみえているので、「ゴールから考える」視点が非常に役立ちます。

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数IIで出てくる「相加平均・相乗平均の関係式」の証明を例題にして、「ゴールから考える」の使い方を見て行きましょう。

【例題】

相加平均・相乗平均

証明に入る前に相加平均と相乗平均の違いを確認しておきますね(^_-)-☆
次の図のように相加平均というのはまさに「高さの違うものを平らに均(なら)す」イメージですが、相乗平均はある長方形と同じ面積の正方形を作ったときの一辺の長さのイメージです。

相加平均・相乗平均-1

さて、それでは証明の糸口を見つけるためにゴールから考えてみましょう。
次のようになりまsね。

相加平均・相乗平均-3

特に条件がないのに0以上になるということは…

相加平均・相乗平均-4

と考えられればしめたものです。以上を逆にたどれば、証明の完成です!

【解答例】

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逆の視点を持てば、ヒラメキが必然になる!

「ゴールから考える」という逆の視点を持って問題を解決すると、この視点を持たない人は
「なんてヒラメキのある人なんだっ!∑(・ω・ノ)ノ」
と驚いてくれます。でも当人は特別なインスピ―レーションに任せて解いているわけではありません。至極自然の道筋をたどって解いているはずです。つまり「ゴールから考える」という視点を持てるようになれば、他人にとってはヒラメキであることが自分にとっては必然になります。

また、ものごとを色々な角度から見られるようにするというのは数学を学ぶ大きな目標の一つですが、「逆の視点」は、正攻法以外の第2の視点としては最も簡単なものです。柔軟な発想を手に入れたいと思う人はまずこの「ゴールから考える」という逆の視点を磨いてみてください。そうすれば第3の視点、第4の視点もきっと持てるようになります。

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「テストの花道」さんにまた声をかけていただいたことはとても励みになりました。数学を苦手な人を1人でも減らしたい、数学を学ぶ意味と意義、それに楽しさをたくさんの人に知ってもらいたいというのは私のライフワークですので、TV出演という機会は大変ありがたいです。これらからも精進します!

昨日の詳しい放送内容はコチラ。番組の後半ではWコロンのねづっちさんが「ゴールから考える」をなぞときに応用されていて面白かったです!

NHK テストの花道 – 過去の放送 -「ゴールから考える!」

統計以外の数学を大人が学び直す理由

 

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NEC BIGLOBEが編集する会員誌「サーイ・イサラに取材をしていただきました。

9月号の【今月の旬ワード】が「数学」だということで、
「今からでも遅くない!『数学をやりなおす』オトナの理由」
がテーマのインタビューでした。

 

統計が必須でなかった理由

昨今は未曾有の統計ブーム(?)で、統計関連の書籍や記事をよく見かけます。統計は長らく数学の必須単元ではなかったので(平成24年度から実施されている指導要領では必須)、高校時代に数学が得意であった人でも統計の知識がまったくないという人は少なくありません。それだけに統計という手法によって明らかにされる事実を目の当たりにすると、マジックを見た時の様に興奮し、虜になる気持ちはよ~く分かります。

「どーしてこんなに大事なことを学校で教えてくれなかったんだ!ヽ(`Д´)ノ」

とお怒りになる人もいるでしょう(・_・;)。だってそうですよね。連立方程式とか数列とかベクトルとか使いもしないものを勉強する暇があったら、実際に役に立つ統計を学びたかった!と思うのは無理もありません。ただ文科省を擁護するわけではありませんが、これまで統計が必須単元でなかったのには理由があります。

統計はいわば道具としての数学です。道具は使いこなせることが大切であり、その仕組みまでを理解する必要はないことがほとんどです。目の前に複数のデータがあるとき、それらを表計算ソフトに入力し、あらかじめ用意されている関数を用いて平均、中央値、分散、偏差、相関係数などを出すことができれば、そしてそれぞれが何を意味するかが分かっていれば、それ以上のことを求められることは稀でしょう。仮にもう少し進んで「推定」や「検定」をすることがあったとしても、正規分布やt分布などの数式自体を理解する必要は普通ありません。

「道具」はそれを使わない人にとっては「無用の長物」です。健康のために、と張り切って買ったぶら下がり健康器やルームランナーは使わなくなると邪魔でしょうがなくなります(^_-)-☆。また統計は一般に計算がとても面倒なので表計算ソフト等の助けが欲しいところですが、ひと昔前までは中高生がパソコンを使うことは今ほど一般的でありませんでした…。

以上のような事情を鑑み、統計は「仕事や研究で必要な人だけが学べば良い」という選択単元にされていたのだと思います。

 

「道具」以外の数学が必要な理由

こんな風に書くと

「だからと言って、まるで役に立たないようなものばっかり教えないでくれよ!」

という声が聞こえてきそうです。ごめんなさいm(_ _)m

確かに、2次方程式の解の公式や因数分解が実生活で役に立つことはまずないでしょう。しかしこれらは統計と違って「道具」としての数学ではありません。「使えるかどうか」が問題なのではなく、本質を理解することで論理的に思考するための考え方を学ぶことが目的です。関数も方程式もベクトルもそのための材料に過ぎません。

とは言っても、テストや入試に追われていた学生時代にはそんなことに気づく余裕も時間もなかったはずです。ただただ解法を暗記してなんとか乗り切ってきたという苦い経験を持っている人は多いでしょう。だからこそ大人の皆さんには数学を是非もう一度学び直してほしいと私は思います。学生と比べて圧倒的な語彙力と人生経験をもつ「大人」は、イメージをする力に長けているので、数学を学ぶ意味と意義を理解する準備ができています。そしてそのための時間も十分にあります…詳しくは過去記事をご覧くださいm(_ _)m↓

大人が数学を学ぶ意味(「大人のための数学勉強法」の反響に寄せて)

 

記事リンク

約1時間のインタビューの間、相変わらず調子に乗ってしゃべり倒してしまいましたが、少ないスペースに見事にまとめて頂いてさすがプロ!と感心します。残念ながら一般書店での販売はありませんが、記事の内容は下記リンクからご覧いただけます。

今月の旬ワード【数学】:今からでも遅くない!「数学をやりなおす」オトナの理由

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