語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学(1族 アルカリ金属篇)


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永野数学塾の「虎の巻」を公開する「語呂合わせと徹底整理で攻略する高校無機化学」シリーズ6回目の今日は、1族のアルカリ金属です。今日から4回に分けて金属をまとめていきます。

「17族 ハロゲン篇」 「16族 酸素・硫黄篇」
「15族 窒素・リン篇」 →「14族 炭素・ケイ素篇
→「気体の製法と性質篇 →「1族 アルカリ金属篇
→「2族 Mgとアルカリ土類金属篇 →「両性金属・水銀・合金篇
→「遷移元素と錯イオン篇 →「目次と語呂合わせのまとめ

アルカリ金属とは周期表の1族のうち水素を除いたLi(リチウム)、Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Rb(ルビジウム)、Cs(セシウム)、Fr(フランシウム)のことですが、Rb、Cs、Frはほとんど出題されません。

元素周期表(アルカリ金属)

まずアルカリ金属単体の基本的な性質を見ていきましょう。

 

アルカリ金属の性質

アルカリ金属の性質を表にまとめました。

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  1. 最外殻電子(価電子)の数が1個で1価の陽イオンになりやすい
  2. 融点が低い
  3. 密度が低(Li.Na、Kは水に浮く)。
  4. 常温の水と激しく反応して水素発生
        例) 2Na  + 2H2O → 2NaOH + H2
  5. 空気中で酸化され(酸素と化合して)酸化物になる。
        例) 2Na  + O2 → 2Na2O
  6. 石油中に保存する(←空気による酸化を避けるため)。
  7. 酸化物や水酸化物は水に解けると強塩基(アルカリ)
  8. 炎色反応を示す。

※ 炎色反応については次にまとめます。

 

炎色反応

金属元素の中にはその化合物の水溶液を白金線につけてガスバーナーの外炎にいれると炎の色が変化するものがあります。この反応を炎色反応といいます。

炎色反応

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トンネルや空港等に使われているオレンジ色のランプはナトリウムランプですが、ナトリウムランプがオレンジ色なのとナトリウムの炎色反応が黄色であることは同じ原理です。

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次はよく出題されるナトリウムの化合物について詳しくみていきましょう。

 

ナトリウムの化合物

NaOH(水酸化ナトリウム)

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  • 水に良く溶け、水溶液は強塩基性
  • 空気中に放置すると次第に水分を吸収して溶ける(潮解性)。  

    水酸化ナトリウムの潮解

  • セッケン、紙、パルプの製造に用いられる。

製法: 電解槽を区切る隔膜に陽イオン交換膜(陽イオンだけを通す特殊な膜)を用いて、NaCl水溶液を電気分解する。

NaOH製法


NaCl → Na + Cl
によって発生したNaが陽イオン交換膜を通って陰極室に入り、
H2O→ H + OH

によって発生したOHと化合して
Na +OH →NaOH
が生成する。

 

Na2CO3(炭酸ナトリウム 別名:炭酸ソーダ

  • ガラスやセッケンの原料。
  • 炭酸ナトリウム十水和物(Na2CO3・10H2O)の結晶は無色透明。
  • 十水和物の結晶を空気中に放置すると水和水が失われて、白色粉末状になる(風解性)。

    炭酸ナトリウム十水和物の風解

  • 水に良く溶けて、加水分解により塩基性を示す。
    CO32 + H2O ←→ HCO3OH

製法アンモニア・ソーダ法(ソルベー法)←あとで詳しくやります。

 

NaHCO3(炭酸水素ナトリウム 別名:重曹

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  • 白色の粉末。
  • 水に少し溶けて加水分解により弱塩基性を示す。
    HCO3 + H2O ←→ H2CO3 + OH
  • 以下の反応により加熱すると熱分解してCO2を発生するので
    2NaHCO3 → Na2CO3CO2 + H2O
    ベーキングパウダー(ふくらし粉)や発泡性入浴剤などにも使われる。
    ※ 炭酸ナトリウムは熱分解しない

 

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Na2CO3の製法であるアンモニア・ソーダ法(ソルベー法)については特に出題されやすいので詳しくみていきましょう。

 

アンモニア・ソーダ法(ソルベー法)

炭酸ナトリウム(Na2CO3)はガラスの原料として特に重要な物質で工業的には次の①~⑤の工程で大量に製造されています。原料が何か?生成物が何か?再利用出来るものは何か?をしっかり抑えましょう。

NaCl + NH3 + CO2 + H2O → NaHCO3↓ + NH4Cl

塩化ナトリウムの飽和水溶液にアンモニアを十分に吸収させてから、CO2を吹きこむと比較的溶解度の小さい炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)が沈殿する。すなわち、以下の2つの反応を合成している。
NaCl → Na + Cl (飽和水溶液)
NH3 + CO2 + H2O → NH4 + HCO3
溶解度の違いからNaHCO3(沈殿) と NH4Cl(溶解)を分離する。

② 2NaHCO3Na2CO3 + CO2 + H2O 【熱分解】

①で生成した沈殿(NaHCO3)を焼くと、炭酸ナトリウムが得られる。CO2再利用。

CaCO3 → CaO + CO2 【熱分解】

①で使用するCO2の半分は②式で回収されるが不足分は石灰石(CaCO3)を熱分解して補う。

④ CaO + H2O → Ca(OH)2

③で発生したCaOを水と反応させて水酸化カルシウム(Ca(OH)2を得る

⑤ Ca(OH)2 + 2NH4Cl → 2NH3CaCl2 + 2H2O

④で生成した水酸化カルシウム(Ca(OH)2と①式で生成したNH4Clを反応させると
「弱塩基の塩 + 強塩基 → 弱塩基 + 強塩基の塩」
により、 ①式で使うNH3が回収できる。

全体2NaClCaCO3 Na2CO3CaCl2

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さあ、それではこれまでのことを踏まえて練習問題をやってみましょう!

 

練習問題

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解答はコチラ

 

2013-05-18_0701

解答はコチラ



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