三平方の定理誕生秘話と証明&『大人のための数学勉強法』P129の問題の解説


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昨日、このブログ経由で拙書『大人のための数学勉強法』P129の問題について

「詳しい解説をして欲しい」

というメールを頂戴しました。確かにそこの部分は紙面の都合上詳しい説明を省いたところでした。これを機会に詳解を書いておきたいと思います。

 

……と、その前にこの問題で使う「三平方の定理」を証明しておきましょう。三平方の定理(ピタゴラスの定理)については、『大人のための中学数学勉強法』に詳しく書きました。一部を抜粋します。

 

三平方の定理(ピタゴラスの定理)の誕生秘話と証明

 130425-1

ピタゴラスはギリシャのサモス島というところで生まれました。このサモス島のヘーラー神殿というところを散策していたときのことです。足元に敷き詰められた下の図ようなタイル貼りを見て、ピタゴラスはあることに気づいたそうです。

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実にシンプルな模様です。でも、ピタゴラスはこの模様から

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と一辺が  a の正方形の面積  (a^{2}) 4つ分の半分(つまり2つ分)はグレーの正方形の面積  (c^{2}) に等しいことを発見するのでした。すなわち、

 2\times a^{2}=c^{2}

⇔   a^{2}+a^{2}=c^{2}

です。これは直角二等辺三角形の場合の三平方の定理ですね!

130425-4

やはり、ピタゴラスは只者ではありません。

ちなみに、上のタイルを一般の直角三角形に応用した図は

130425-5

です。是非この図を使って一般の場合の証明をやってみてくださいね。

……ということです。最後を少し補足すると、上の図で面積が

大きな正方形=小さな正方形+直角三角形×4

になっていることに注目すると、大きな正方形の一辺は  a+b 、小さな正方形の一辺は  c ですから、

 \left( a+b\right) ^{2}=c^{2}+\dfrac {1} {2}ab\times 4

展開すると

 a^{2}+2ab+b^{2}=c^{2}+2ab

∴   a^{2}+b^{2}=c^{2}

ですね!(∩_∩)

ちなみにピタゴラスの定理には、100以上の証明があると言われています。『大人のため中学数学勉強法』では、その中からユークリッド式と呼ばれるものと、アインシュタイン式と呼ばれるものを紹介しました。興味のある方は、以下のサイト(英語ですが)にたくさんの証明が載っていますのでどうぞ。

Pythagorean Theorem and its many proofs

↓はflickrで見つけた直感的でお洒落(?)な「証明」(⌒-⌒)

The Triangles of Pythagoras, small triangles assembled
The Triangles of Pythagoras, small triangles assembled Photo by glyphobet

The Triangles of Pythagoras, large triangle assembled
The Triangles of Pythagoras, large triangle assembled Photo by glyphobet

『大人のための数学勉強法』P129の問題の詳解

さあ、ではいよいよご質問いただいた問題の詳解に入っていきます。こんな問題です。

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この問題は「どんな問題も解ける10のアプローチ」の一つである「対称性を見つける」の例題として出題したものです。ポイントは、折り返した図形は折り返す前の図形と線対称(鏡に映したような関係)になるということです。これにより△FBGと△FEGが合同であることがわかるので、

∠FEG = 90°(△FEGは直角三角形)
FB = FE
BG = EG

ですね。ここで、FG = x 、FE = y  、EG = z とすると、 各部の長さは次の図のようになります。

2013-04-24_1255

ごちゃごちゃしていて、すいませんm(_ _)m

私たちの目標はFG = x を計算することです。△FEGが直角三角形であることに気づけば、三平方の定理より

 x^{2}=y^{2}+z^{2}

ですから、y z が求まれば x を求めることもできそうですね。

まずはy です。△AFEに三平方の定理を使っていきます。

 y^{2}=\left( 5-y\right) ^{2}+3^{2}

 y^{2}=25-10y+y^{2}+9

 10y=34

 y=\dfrac {34} {10}=\dfrac {17} {5}

さあ、次はz ですが、これが曲者です…。元の図のままでは、求められそうにありません。
そこで!、補助線を引きます。でも、これもヒラメキによって引く補助線ではなく、情報量が増えることがわかっている補助線を戦略的に引いていきます。「情報が増えることがわかっている補助線」ってなんでしたっけ?そうですね。「平行線と垂線」です。今回は長さを求めたいので、三平方の定理が使えるように垂線を引いていきます。z を求めたいのですから、上の図にあるように(もう引いてあります♪)EHという垂線を考えるのはそう突飛でもないでしょう。

△FBGと△FEGが合同なので、EGを z とするとBGも z であることに注意して、△EHGに三平方の定理を使っていくと、

 z^{2}=\left( z-3\right) ^{2}+5^{2}

 z^{2}=z^{2}-6z+9+25

 6z=34

 z=\dfrac {34} {6}=\dfrac {17} {3}

はい!これで、y z が求まりました!\(^o^)/あとは

 x^{2}=y^{2}+z^{2}

に代入するだけです。

 x^{2}=\left( \dfrac {17} {5}\right) ^{2}+\left( \dfrac {17} {3}\right) ^{2}

 =17^{2}\times \left\{ \left( \dfrac {1} {5}\right) ^{2}+\left( \dfrac {1} {3}\right) ^{2}\right\}

 =17^{2}\times \dfrac {3^{2}+5^{2}} {5^{2}\times 3^{2}}

 =17^{2}\times \dfrac {34} {5^{2}\times 3^{2}}

 

 x=\sqrt {17^{2}\times \dfrac {34} {5^{2}\times 3^{2}}}

 =17\times \dfrac {\sqrt {34}} {5\times 3}

 =\dfrac {17\sqrt {34}} {15}

ふう。お疲れ様でした。と、いうことで、

 FG=\dfrac {17\sqrt {34}} {15}

です。

途中の計算で小賢しく変形しているのは、計算が苦手だという私の個人的都合です(・_・;)

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