数学が得意な人と苦手な人の違い


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日本を代表する数学教師のお一人である安田亨先生「東大数学で1点でも多く取る方法」の中で次のように述べられています。

東大数学で1点でも多く取る方法

「『数学ができる、できない』という要因の一つに、数学的な事実を頭の中に入れていく容量の大きさがあります。優秀な人は頭の中に引き出しがあって、順序良く整理され、多少複雑になっても混乱しません。数学的な一歩、歩幅が長いのです。ところが、数学が苦手な人は、容量が小さい。従って、手近なことを式にして、全体的な見通しもなく、目の前のことを計算します。」

私も全面的に賛成です。
一般に、数学が得意な人は、”論理勇気”ともいうべき力に優れています。入り口からゴールが見えないような場合でも、自分の正しいと思う方向を信じて進む勇気を持っているのです。反対に数学が苦手な人は、入り口に立った時にゴールが見えていないと「これは無理そうだ」と弱腰になって諦めてしまうことが多いです。

普段の生活にあてはめると、例えば数学が得意な人は、直感的に理解できないような機器の操作であっても、説明書を頼りに使いこなすことが出来るのに対し、数学が苦手な人はiphone、ipadのように説明書がなくても直感的に理解できる機器でなければ使おうとしない傾向にあると思います。

もちろん、直感力に優れている、ということはすばらしいことです。人が時間をかけてようやく理解できることが、瞬時に分かるということは、1つの大きな才能でしょう。またiphoneやipadが世界中で爆発的にヒットした大きな要因の一つが、その直感的な操作性にあることは間違いありません。

しかし、数学が目指すものはその真逆です。

数学の力=ヒラメキだと勘違いしている人は少なくないと思いますが(参考:過去記事⇒数学はひらめきではない数学の力とは直感力のことではありません。入り口に立った時には見えないゴールに向かって、論理的に1つずつステップを積み上げて進んでいける力こそ、数学の力です。

そして、この数学の力は公式や解法を暗記してそれをあてはめるような勉強からは決して育ちません。私が生徒にいつも「公式や定理の証明に取り組みなさい」と口を酸っぱくして説いている最大の理由はここにあります。

高校数学の中では2次方程式の解の公式、三角関数の加法定理、点と直線の距離など、スタート地点からはゴールが見えない公式や定理がたくさんあります。そしてその様な定理や公式の証明に取り組むと、思考のステップを幾重にも積み重ねていってゴールにたどりつくという経験を得ることができます。

こうした経験を積むことは、論理的に考える訓練になるだけでなく、たとえスタート地点からは見えないような遠いゴールであっても、論理的に考えればいつかはたどり着けるのだという自信にもなります。それが前述の“論理勇気”の源になり、やがては「数学が得意な人」へと成長できるのです。

もう一度言います。

これが数学が得意になる一番の近道です。



永野数学塾-東大卒講師の個別指導-神奈川県大和市中央林間

[本記事のイラストはイラストポップさんより]

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