ヒッグス粒子について


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「ヒッグス粒子とみられる粒子発見」のニュース(⇒NHK NewsWeb)が大きな話題になっています。(^_-)-☆

「ヒッグス粒子」という名前は昨年末くらいから「発見間近!」と騒がれて、よく耳にするようになりましたが、一体どんな粒子なのでしょう?
一言で言えば、ヒッグス粒子とは「『質量』を作り出す粒子」です。
あっ、ここで「え…?何いってんの?」と読む気を無くさないで下さいね。
これから説明しますm(_ _)m

“重さ”と”質量”の違い


まず重さと質量の違いについて。地球上でこの2つの違いを実感することはありませんので、「重さ」と「質量」は、ほぼ同じ意味として使われていると思いますが、物理的にはこの2つの言葉は意味が違います。端的に言うと、

 重さ:物体に働く重力のこと
 質量:物体の動かしにくさのこと 

です。
まず、重力というのは質量に比例し、

重力=質量(m)×重力加速度(g)

で定義される量です。
例えば月では重力加速度が地球の1/6なので物体に働く重力(重さ)も地球の1/6になりますし(地球で体重60kgの人が、月面で体重計に乗ると体重計は10kgを指します)、重力加速度がゼロの(万有引力が及ばない)宇宙空間では、物体に”重さ”はありません。 

[画像元:F_Master

一方、質量は物体に固有の量です。地球上でも、月でも、宇宙空間でも変わることはありません。質量の小さいリンゴはどこにあっても動かしやすく、質量の大きい自動車はどこにあっても動かすのが大変です。…ということで、質量とは物体の動かしにくさを表す量のことを言います。

[画像元:国際リニアコライダー計画

ヒッグス粒子とは

そして、その動かしにくさを生み出している粒子こそ、「ヒッグス粒子」なのです。
ヒッグス粒子は空間を埋め尽くしています。
例えるなら、体育館を埋め尽くす群衆のようなものです。そしてこの体育館の中に有名人が入ってきたとします。すると有名人は群衆に取り囲まれてなかなか前に進めませんね。群衆(ヒッグス粒子)のせいで動きづらくなっているわけです。この場合質量は、有名の度合いに例えることができます。

光の速度が不変な理由

相対性理論の元になった「光速度不変の原理」をご存知でしょうか?これは「光はどんな観測者に対しても常に秒速30万kmで移動する」という原理ですが(詳しくは⇒相対性理論超入門)、光が速度不変なのは光が特別だからではありません。光は「質量」(=動かしにくさ)がゼロなので、ヒッグス粒子によって邪魔されることなく自然界で到達できる最高速度で動くことができます。そして、その最高速度がたまたま秒速30万kmだったというこです。一方、光以外の粒子は質量を持つので、自然界の最高速度で進むことはできません。

先の例えで言えば、光はまったく無名の「ただの人」で、群衆に取り囲まれることなく、最も速いスピードで通り抜けることができるというわけです。
逆に言えば、光は質量を持たないために、秒速30万km未満で移動することはできません。光の粒子はこの世に生まれた瞬間から光速で動き続ける宿命を持っていると言えます。

神の粒子

もしヒッグス粒子がなければ、私たちの体を作っているどんな素粒子(電子など)も光速で進んでしまい、その場にとどまっていられなくなります。物体の構造が保たれているのは、空間をヒッグス粒子が埋め尽くしてくれているおかげで、素粒子の運動が制限されているからなのです。つまり、ヒッグス粒子がなければ、我々人間はもちろん、どのような物質も存在できません。その意味でヒッグス粒子は「神の粒子」とも呼ばれています。

なぜ世紀の大発見なのか?

1960年代以降、素粒子物理学の「標準モデル」において、私たちの宇宙は17の素粒子から成り立っていると予言されました。

これまでにクォークやレプトンなど16個については実験で確認されてきましたが、最後の1つ、ヒッグス粒子だけが見つかっていませんでした。この「標準モデル」はこれまでのすべての実験データを矛盾なく説明することができるのですが、もしヒッグス粒子が存在しないことが分かってしまうと、現在の標準モデルは正しくない、ということになってしまいますので大問題だったわけです。つまり、今回のヒッグス粒子の発見は50年かけて発展

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