星の一生


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ESA

去年、アンドロメダ銀河での星の誕生と死の現場を同時にとらえた画像を、欧州宇宙機関(ESA)が公開しました。アンドロメダ銀河は地球のある銀河系と同じ渦巻き銀河で肉眼で見られる人気の天体ですが、ESAの担当者によると「これまで壮大な宇宙のドラマの半分も見えていなかった」とのことです。

撮影は同時期に、2種類の観測装置で行いました。一つが、赤外線で星の誕生を検出するハーシェル宇宙望遠鏡(右上)で、もう一つがエックス線で死の現場を見る天文衛星ニュートン(右下)です。そしてその2つの画像を合成してみたところ(中央)銀河の中心部で「最期」を迎えた星が集中していたほか、その周りでは星が誕生している五つ以上のリングが鮮明に映し出されました。 リングの直径は数万光年にもなります。ちなみに左上は可視光で捉えた画像で、左下はそのすべてを合成したものです。

…ということで今日は「星の一生」について書きたいと思います。

星の誕生

馬頭星雲(NASA)

星(太陽のように自ら輝く恒星)が誕生する舞台となるのは、宇宙空間に漂うガスやチリが集まっている「星雲」と呼ばれる大きな「雲」です。この雲の中で特に密度の濃い部分は、自分自身の重力でつぶれていくことがあります。つぶれるとその圧力で温度がどんどん上がり、ある時、急に明るく輝き始めて原始的な星の誕生となります。

原始星

原始星のまわりでは星に落ち込んでいく星間物質がうずを巻いて円盤を形づくっており、原始惑星系円盤と呼ばれます。原始惑星系円盤の中では小さな塵の粒がぶつかり合って次第に大きくなっていき、これが惑星のもとになると考えられています。

質量によって違う星の生涯

原始星は、その後もなおもつぶれ続け、温度もますます上がっていきます。そして中心部の温度が1000万度を超えると、水素同士の核融合反応が起こり始めます。こうなると、核融合反応で生み出されるエネルギーと自分自身の重力が釣合い、それ以上小さくつぶれることはありません。こうして、明るさも半径も安定した一人前の星「主系列星」になります(注:うんと軽い星は主系列星になれません)。

星の生涯はその重さによって、異なります。

(1)太陽の0.08倍以下の質量の星

まず太陽よりもうんと軽い星は、主系列星になれずに、燃料である水素が減ってしまうと、どんどんつぶれ、暗くて小さな褐色矮星になります。


(2)太陽の0.08~8倍程度の質量の星

赤色巨星になった後、外層を宇宙へ拡散させて、惑星状星雲となり、そのの中心には白色矮星が残ります。

(3)太陽の8~40倍の質量の星

赤色巨星になった後、超新星爆発を起こし、中性子星となります。

(4)太陽の40倍以上の重さの星

赤色超巨星となった後、超新星爆発を起こし、ブラックホールになります。

恒星の種類

主系列星、赤色巨星、中性子星…色々な名前が出てきてしまいましたね。ここで恒星の「種類」をおさらいしておきましょう。

(1)主系列星
中心部で水素からヘリウムを合成する核融合反応を行っている星。太陽を含め、恒星の多くがこれです(だから「主系列」といいます)。


(2)赤色巨星

中心部の燃料を使い果たし、大きく膨れ上がった状態の星。太陽も約50億年後にこうなります。さそり座のアンタレス・おうし座のアルデバラン・オリオン座のベデルギウスなどがこれです。表面温度が低いため、赤く見えます。

(3)褐色矮(わい)星
重さが足りずに、核融合反応が出来なかった星。

(4)白色矮星
太陽の8倍以下の重さの恒星が最終的に行き着く状態の星。太陽もいずれこうなります。赤色巨星の状態で燃料を完全に使い果たして残った残骸といっても良いでしょう。

(5)中性子星

超新星残骸「カシオペヤ座A」(NASA)

少しだけ重さが足りなくてブラックホールになりきれなかった赤色巨星からできる星です。原子を構成している素粒子(陽子、中性子、電子)のうちの一つである中性子がぎっしりつまっているため、「中性子星」と名付けられました。大きさは、太陽と同じ重さの中性子星でも、20キロメートル程度と極端に小さくなります。さらに、ブラックホールほどではないですが重力が強いため密度が非常に高く、角砂糖1個分で数億トンにもなります。 上の画像は超新星残骸「カシオペヤ座A」の画像。中心に中性子星が見えます。拡大した想像図には、中性子星の外殻と中心核、ニュートリノの放出(青)が描かれています。

(6)ブラックホール
非常に重い星が最終的に行き着く状態の星。密度が異常に高く、もし地球と同じ重さのブラックホールがあったらとしたら、その大きさはわずか2cmほどになります。ブラックホールは光さえも、その強力な重力で吸いこんでしまいます。よってブラックホールは光を発することができません。 またブラックホールの周りは、その重力によって光の方向が曲げられてしまいます。

 

最期なのに超新星?

太陽より8倍以上重い星では、最初の燃料である水素を使い果たした後、水素の核融合反応の燃えかすであったヘリウムが核融合反応をはじめ、やがてヘリウムも燃えつきると、燃えかすの芯はつぶれてさらに熱くなり、芯の温度が6億度を超える頃、今度は炭素の核融合が始まります。さらに中心温度が上がって15億度くらいになると、ネオンや酸素が反応してマグネシウム、ケイ素、硫黄などができ、中心温度が25億度になるころにはそれらがさらに反応して鉄やニッケルが生み出されます。

 

…つまりは温度の上昇に伴い、「燃料」を変えながら核融合反応を続けるわけですが、最終的に鉄やニッケルまで行き着いてしまうと、これらは非常に安定な原子なので、核融合反応を起こしません。ですから、ここまでくると本当に燃料切れです。燃えるものがなくなるので、星は自分の重力を支えることができなくなって、星の内部は爆発的につぶれます。つっかえ棒を急に外したようなものですね。それに伴って星の表面部分が大爆発を起こすことがあります。これが「超新星爆発」です。

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太陽より8~10倍以上重い星は「超新星爆発」によって、その最期を迎えます。「え?『最期』なのに『超新星』?」と思いますよね?実は、この超新星爆発によって宇宙に散らばったガスやチリこそ、新しい星の誕生の舞台である「星雲」になるのです。つまり、星は輪廻転生を繰り返します。ある星の最期は次の星の始まりでもあるのです。私はそう言う意味でこの星の最期の爆発に「超新星」という名前を付けた人のセンスは素晴らしいと思います。ちなみ私たちの太陽は「第2世代」の星で、今は寿命(約110億年)の半分くらいを生きたところです。

【今日の動画】
誕生を繰り返す星々に乾杯♪
Marilyn Monroe sings Happy Birthday to JFK

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