宇宙の色


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 ALMA望遠鏡
上の写真は、地球から最も近い衝突銀河である触覚銀河(アンテナ銀河)の画像です。これはチリのアタカマ砂漠にあるALMA望遠鏡のデータ(赤、黄、ピンク)にハッブル宇宙望遠鏡で撮影した可視光画像(青)を合成したものです。ALMA望遠鏡は、特にミリ波・サブミリ波(詳しくは⇒ALMA望遠鏡サイト内「ミリ波・サブミリ波」)という通常は観測しづらい波長の光を観測することができる最新鋭の電波望遠鏡で、可視光では真っ暗にしか見えない領域に星の材料となる高濃度のガスの雲(黄や赤)が存在することを見事に捉えています。


宇宙には目に見える光(可視光線)の他にたくさんの「光」が存在します。幅広く存在する光の波長の中で、人間の目に見える可視光線はそのごく一部にしか過ぎません。可視光線より波長の短い光を紫外線、可視光線より波長の長い光を赤外線というわけですが、宇宙はいわば、「紫よりも紫で、赤よりも赤い光」に満ちあふれている、というわけです。

宇宙の色

それでは、宇宙の色は何色なのでしょうか?

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学の研究者が、20万個もの銀河の光を足し合わせ、 星がいつ・どのくらいできたかも加味して、平均的に何色に見えるかを計算してみたところ、「宇宙の色」はやさしいベージュ色であると結論付けました。
↓こんな色でしょうか…?

ただし星は年齢とともに色が変わるので、宇宙の色も変化し続けます。過去60億年の間には「宇宙の色」は青緑色から今のベージュ色に移り変わってきたそうです。アメリカの科学者達がこの色の名を公募した結果、最終的に宇宙ラテ(cosmic latte)と命名されました。

地球の星空が暗い理由

 The Milky Way Over Ontario(NASA)  

しかし、夜見る星空は暗いと感じますよね?それは宇宙の星の数が、宇宙の大きさの割りに少ないからです。太陽系付近の宇宙には、およそ3光年立方の空間の中に1個の星があるという密度で星が存在しています。もし太陽系がスバル星団オリオン大星雲などの星団の中にあったら、3光年立方の空間に10万個の星が存在しますので、そうすると空に見える星の数も10万倍になり、さぞや明るく賑やかな夜空だったことでしょう。また、将来の宇宙は今よりもさらに暗くなります。星を作るガス雲が少なくなり、星の誕生する割合が下がるからです。

地球上の昼間が明るい理由

地球上の昼間が明るいのは当たり前ではありません。地球の空が青いのは、太陽光に含まれる様々な波長の光のうち、波長の短い青い光が大気中の空気分子などにぶつかって散乱するからです。また、また朝日や夕日がオレンジ色なのは、太陽光が空気層に斜めから入射するために、光が空気層を通過する距離が長くなり、その間に波長の短い青い光は散乱しつくされて、散乱されにくい赤やオレンジの光だけが人間の目に届くからです。

月の”昼間”は暗い

 NASA

ちなみに月には大気がないのでこのようなことは起こらず、月の昼間は太陽は輝いていますが、空は暗いままです。上の画像はNASAの アポロ14号「アンタレス(Antares)」の背後に輝く太陽。「神々しく輝く光の玉はまるで宝石のようであった」と、のちに宇宙飛行士は語っています。

この宇宙には目に見えない光があふれているかと思うと、目に見えるものだけを信じるというのはきっと間違っているのだろうと思います。逆に言えば「信じる」という行為は「見えないもの、聞こえないもの」に対してのみ意味があるとも言えるのかもしれません。



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