金環日食についてまとめました!


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 JAXAデジタルアーカイブス
いよいよ来週月曜日に迫った金環日食!この世紀の天体ショーについては語り尽くされた感もありますが、それだけに「今さら聞けない」日食の仕組みや、金環日食と皆既日食の違い、観測の方法、日食の歴史などをまとめてみました。週間予報では曇天の恐れもある21日の朝が晴れることを願って!

日食の仕組み

 アストロアーツ

日食とは、太陽-月-地球がほぼ一直線上に並んだとき、地球から見て月が太陽の前を通り、その一部または全部を隠してしまう現象です。上の図からも明らかなように、地球上で金環日食が見られる地域はごくごく限られています。

金環日食と皆既日食の違い

 星の子館
地球のまわりをまわる月の軌道は完全な円より少しつぶれた楕円形なので、地球と月との間の距離は一定ではありません。そのため月の見かけの大きさは変化します。今回は月の見かけのサイズが太陽よりもわずかに小さいため金環日食になりますが、月がもっと地球に近い時には太陽がすっぽり隠れる皆既日食になります。

いつ、どこで見られるか?

日本各地での見え方は下の図の通り(↓クリックで拡大)

※東京での見え方

今回は日本、しかも東京付近が世界中で最も金環日食の観測に適した場所と言えるのですが、日本以外でも観測することができます。例えばアメリカでは夕日として、中国では朝日として、地平線・水平線上のリングを肉眼で直接見られそうです。特にアメリカは現地時間だと20日の日曜の夕方に観測できますので、平日朝の日本より時間の面では恵まれているとも言えます。
(↓クリックで拡大)

 国立天文台

観測の仕方


金環日食は太陽がすべて隠れるわけではないので、それほど暗くなりません。非常に強い光線を放っているため、直接観測するには日食観察プレートや日食メガネなど、特別なツールが必須です。個人的には、日食グラスが一番手軽だとは思いますが、ピンホールを利用する方法や手鏡を利用する方法などもあります。
詳しくは⇒国立天文台金環日食サイト

ちなみに金環食を気軽に綺麗に撮影する方法はこちらのサイトに詳しいです。
話題の金環食を簡単にスマホで撮影する方法とは?(bizmash!)

前回と次回の金環日食

「そんなに大騒ぎしなくてもまた見られるんじゃないの?」という人もいると思います。そこで、日本の各都市の前回と次回の金環日食を調べてみました。
 札幌  1872年(前回) 2030年(次回)
 東京  1839年(前回) 2312年(次回)
 名古屋 1080年(前回) 2041年(次回)
 大阪  1730年(前回) 2312年(次回)
 福岡  1245年(前回) 2556年(次回)
 那覇  1987年(前回) 2085年(次回)
東京で見られるのは1839年以来、173年ぶり(次回は300年後)、本州の広い範囲で見られるのは1080年以来、実に932年ぶり…やはり、非常に珍しい現象であることが分かります(上の都市のうち、札幌、福岡、那覇は残念ながら今回の金環日食を観測できません)。

日食と水島の合戦

平家物語や源平盛衰記に記されている水島の合戦(1183年)のさなかに日食が起ったことが分かっています。「源平盛衰記」によると

天俄曇りて日の光も見えず、
闇の夜の如くに成りたれば、
源氏の軍兵日蝕とは知らず、
いとど東西を失て舟を退て、
いづち共なく風に随つて遁行。
平氏の兵共は兼て知にければ、
いよいよ時を造り重て攻戦。

だったそうです。つまり、平家側はその日に日食が起きることを知っていたのに対し、源氏側はそれを知らなかったために大混乱となり、平家に負けてしまったということです。確かに、昼間に突然太陽が暗くなれば、「不吉じゃ!」とパニックになるのも分かりますね。

次の天体ショー

天体ショー当たり年の今年は金環食の後、6月6日に金星が太陽の前を横切る金星日面通過という大イベントがあります。日本全国で午前7時頃~お昼1時頃の約6時間観測できます。前回は2004年に起きたのですが、次回地球上のどこかで見られるのはなんと2117年の105年後というこれまた大変珍しい現象です。天文的には実は日食よりもずっとレアで見逃すことの出来ない天体ショーです。今回の金環食が終わった後も日食グラスは捨てずに取っておきましょう。

金環食にプロポーズ?


皆既日食の開始・終了の瞬間がダイヤモンドリングと呼ばれるのに対して、金環食の輪は「金環」の名の通りゴールドリングと呼ばれます。婚約指輪と言えばダイヤモンドリングではありますが、ゴールドリングもまた結婚指輪の代表格。
ちなみにドリカムが1990年に発表した「時間旅行」という曲の歌詞に次のようなフレーズがあります。

指輪をくれる?
ひとつだけ
2012年の金環食まで待っているから
ときりのやつを忘れないでね
そうよ、太陽のリング

今年再婚される吉田美和さんは何か運命的なものを感じているかもしれませんね。
日食は必ず新月の時に起こる現象ですが、月に不思議な力を感じて、新月に願いをかける方は少なくないようです。それならば一世一代の金環日食はプロポーズの絶好のチャンスかも?

5/21の朝はきっと日本中の人が空を見るでしょう。そして、その視線の先に広がる大宇宙のロマンに思いを馳せることで、ちっぽけな自分の存在と、それだけにかけがえのない命の尊さを感じるような気がします。一生に一度見られるかどうかという世紀の天体ショーの日が、そんな日になればいいなあと思います。

空を見上げることは素晴らしいこと。天体ショーでなくても空を見上げれば、感じられること、考えられることはたくさんあるような気がします。宇宙科学研究所出身の私としては、天体ショーのあるなしに関わらず、皆さんの空を見る機会が増えればさらに嬉しく思います。

最後にドリカムの「時間旅行」の動画を♪
   

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