計算ミスをする4つの理由


生徒さんにテストの答案を見せてもらうと

「ケアレスミス(計算ミス)が多くて…」
と照れ笑いを浮かべながら言い訳される場合が少なくありません。しかもそういう場合は

「このミスがなかったら+10点だから、本当は◯◯点だったのに」
というセリフも見え隠れします。でも、テストの結果に「たら・れば」は無意味です。計算ミスの-10点も、やり方がまったく分からない場合の-10点もテストでは同じ評価を受けることになります。どちらの場合も合格点に達してなければ不合格です。

だからと言って「今度は気をつけよう」と気を引き締めるばかりではきっと次回も同じようにミスをしてしまうことでしょう。また「計算力を上げよう」と思っても、それは容易なことではありません。

私はこれまでの指導経験の中で、生徒さんが計算ミスをするのには計算力以外に4つの理由があることが分かりました。この4つのことにさえ気をつければ計算ミスはぐっと減るはずです。そしてそれは計算力を上げるよりずっと簡単なことです。

 

計算ミスをする理由①:速すぎる

テストの時、焦る気持ちはよく分かります。ついつい普段やったことがないようなスピードで遮二無二計算してしまうものです。しかしこれが計算ミスのもとなのです。例えば自動車や自転車を運転するときのことを考えて下さい。目一杯の速度で運転したら「怖い」という感覚になりますよね?誰でも、最高速度では運転せずに

「角から人が出てこないか?」

「路面は滑らないか?」

などに気を配りながら運転すると思います。

同じように計算も自分ができる最速のスピードでやっているときは「怖い」と思う感覚を養いましょう。

「わわ、こんなに急いでやったら間違えそう!(>_<)」

と思えるようになればしめたものです。1行1行書き進めるときに

「大丈夫かな?」

「ミスはないかな?」

と確認しながら前に進めばミスはぐっと減ります。

こんな風に書くと

「そんなことをしていたら最後まで終わりませんよ!」

という文句が聞こえてきそうです。でも、大丈夫。スピードを落として途中で終わってしまった場合と、計算ミスのリスクを犯しながらも最速の計算で最後まで解いた場合とでは、確実に前者の方が高得点になります。くれぐれも10割の力で計算せず、少なくとも2割の力は行った計算の確認に使って下さい。

 

計算ミスをする理由②:理解が不十分

普段の学習で

「なんかこの単元は計算ミスが多いなあ」

と思ったことはないでしょうか?そんな時は計算ミスがその単元への理解の不足を教えてくれています。

「いや、やり方は合っているのだから、ただの計算ミスだ」

と見過ごしてはいけません。

人間はメンタルな生き物です。スポーツや楽器の演奏などでは特に顕著ですが、精神的な不安はミスを誘発します。例えばメンタルなスポーツの代表とも言えるゴルフ。

「わあ、池がある。この間池ポチャしちゃったんだよなあ」

などと不安がよぎると、ついつい体のどこかに変な力が入って普段は考えられないようなミスショットをしてしまうものです。

数学でも

「ああ~ベクトルだ。この単元苦手なんだよなあ」

「確か、この公式にあてはめれば解けるんだ…よな??」

などと不安に思いながら計算を進めていると、普段より確実に計算ミスの確率は高くなります。そんな時は問題を解く手を止めて、もう一度基本に戻りましょう。そこで必要な定理や公式を証明できるかどうかを確認してください。

「よし、分かった!」

とその単元に自信が出てくれば計算ミスも自ずと減っているはずです。

 

計算ミスをする理由③:字が読みづらい

字の綺麗、汚いは問題ではありません。(科学者の多くは悪筆です…)私は冠婚葬祭の受付で、筆で自分の名前を書かなければいけない時などは
「利き手をケガしちゃって…(←ウソ)」

と言い訳しながら書きたいくらい字が汚いのですが、文字をはっきり大きく書くことは得意です。

生徒さんを見ていると、ゴミかと思うようなちっちゃい「-(マイナス)」を書いていたり、1行に無理やり分数を書きこんでほとんど数字が判別不能になったりしているケースがあります。当然、そんな字は書いた直後なら分かるでしょうが、何行か計算を進めた後では自分でも読みづらいはずです。

それから、手で書くと数字と混同しやすい「z(2)」や「q(9)」や「b(6)」は、はっきりとアルファベットだと分かるように、横棒を入れる、筆記体で書く、などの工夫が必要だと思います。

また、見やすい字を大きくはっきり書こうとすれば、自ずと書くのに時間がかかります。これは①「早すぎる」の対策になると同時に焦る気持ちを鎮める効果もあります。

すごく単純なことかもしれませんが、字は大きく、はっきり書く…これだけでも大分計算ミスは減ります。

 

計算ミスをする理由④:緊張感に不慣れ

試験の時だけ
「計算ミスをしないようにしよう」
としても無理な相談です。普段の学習の時から
「この計算を間違ったら不合格だ」
くらいに思って、常に緊張感を持って演習するようにしなくてはいけません。

心理学の法則に「ヤーキンズ・ドットソンの法則」というのがあります。
「慣れていることをする時には緊張やプレッシャーがあった方がよく、
慣れていないことについては逆である」

とする法則です。

つまり、経験の浅い人にプレッシャーを与えると失敗する可能性は高くなりますが、逆に経験を多く積んでいる人はプレッシャーが大きい方がより良い成果を上げるということを言っています。

高い緊張感のもとで計算した経験があまりないままに試験を迎えると、テストの大きなプレッシャーの中でミスを多発してしまいます。そうならないために、高い緊張感を、普段の学習から自分で作りあげることが大切です。例えば、
・過去問を本番と同じ時間で解いてみる
・計算ミスをしたら、その単元の最初から全部やり直す
などの”罰ゲーム”を決めるなども良いかもしれません。そうすれば、緊張感の中で計算する経験を積むことができて、本番のテストでもきっとつまらないミスはしないことでしょう。

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Photo Credit: [ embr ] via Compfight cc

いかがでしょうか?幾つかは思い当たる節があったのではないでしょうか?とにかく、何より重要なのは計算ミスを「ケアレスミス」と軽んじないことです。実際、どのような試験でも、計算ミスが原因で不合格になってしまう例が大変多いことを忘れてはいけません。計算ミスは
「いやあ、おっちょこちょいなもんだから…」
と、頭を掻きながら笑って見過ごせる問題では決してないのです!(`・ω・´)ゞ

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