怒りを鎮めるABC理論~理性感情行動療法(REBT)


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アメリカの心理学者アルバート・エリスが書いた「論理療法」(ABC理論)の本を読んでいます。まだ、勉強途中ですがなかなか面白いので、メモ的に書かせていただきますm(__)m


怒りをコントロールできる人、できない人―理性感情行動療法(REBT)による怒りの解決法

一般的に、感情とそれを誘発する出来事には直接の因果関係があると思われがちです。
すなわち、


A(Activating Event:嫌な気持ちを誘発・活性化する出来事)

C(Consequence:結果)

例)仕事で失敗(A)→落ち込む(C)

として、感情の原因は「出来事」にあると考えることは多いと思います。

しかし、ABC理論ではこのAとCの間に


B(Belief:思い込み、信念)

が入って、ある感情が発生するまでには

A→B→C

のプロセスを踏むのだと主張します。つまり、このBを変えることができれば、同じAに対しても怒りのCを生じさせずに済ませることができるというわけです。

Bには次の2つの種類があります。

・RB(Rational Berief:論理的な考え方)
・IB(Irrational Berief:非論理的な考え方)

RBによってもたらされたC(結果)は「健康」な否定的感情になるのに対して、IBによってもたらされたCは「不健康」な否定的感情になる傾向が強くなります。

エリスは自分の思い込み(B)が論理的な否かを判断するには4つの基準があると言います。

 

論理的な否かを判断する4つの基準

①柔軟か?
非論理的な考え方は硬直している
⇒「絶対に」「必ず」「みんな」などと表現されることが多い。

②論理的か?
文章化した時の筋道が通っていれば論理的。 
     例) 花は植物だ→桜は花だ→桜は植物だ(論理的) 
           花は植物だ→桜はピンクだ→ピンクは植物だ(非論理的)

③現実と一致しているか?
非論理的なことは現実と一致しない

④役に立つか
人生の目標の達成に役に立たない、妨げになるものは非合理的。
個人的には④は少々疑問が残りますが、特に①は大いに共感しました。

 

数学でも、
・絶対にあり得ない
・存在しない
などを示すのは、あり得ることや存在することを示すより、ずっと難しいことが多いです。それは、砂浜に立って「この中にダイヤは存在しない」ことを証明する難しさと同じです。ちなみに証明まで数百年を要した有名なフェルマーの定理も「存在しないこと」を示す定理です。
同様に、現実の世の中にも、
・絶対に~である。
・絶対に~でない。
と、反対の可能性を完全に否定できることは極めて稀だと思います。

 

IB(非論理的な考え方)を分類する

ABC理論でも①にあてはまる硬直した考え方こそIBの根源であるとし、IBをさらに3つに分類しています。

ⅰ)自分に対する「絶対に~でなければならない」
     例)自分はテストで絶対に良い点を取らなければならない。

ⅱ)他人に対する「絶対に~でなければならない」
     例)彼は私のプレゼントを絶対に喜んでくれなければならない。

ⅲ)世の中、世間、人生に対する「絶対に~でなければならない」
     例)電車は絶対に時間通りに運行されなくてはならない。

このように頑ななIBが不健康な否定的感情になることが頭では分かったとしても、長年の考え方の癖により、なかなかそれを拭い去ることができない場合には、ABC理論では、

D(Dispute:反論、論駁、論破)

という段階に進みます。

 

IBを論破(Dispute)する

Dの方法としては

・論破
・言い聞かせ
・イメージ・トレーニング
・IBに反する行動

などがあるそうです。

私は人に
「永野って怒らないよね~」
とよく言われます。自分ではあまり自覚がないのですが…多分それは、この「論破」を自然と行なっているからかもしれません。例えば、深夜の道で渋滞があり、その原因が工事のための車線規制だと分かると、一瞬
「深夜はスムーズに走れて当然!」
と思っていた自分がイライラしそうになりますが、そんな時は
「でも、もしこの工事が昼間に行われていたらどうだろう?」
と自分に反論します。すると、
「交通量の多い昼間に工事なんてされたら、大変な渋滞になって仕事に遅れてしまう。」
と思い、
「深夜にやってもらってよかった。」
とさえ思えるようになります。IBを論破するために逆の視点を持つことは効果的なようですし、数学においても逆の視点を持てるようになることは、新しい視点を持てるようになるための最初の一歩になります。
…と以上です。

しかし、最後に強調しておきたいことは、この本の中にも書かれていますが、怒りはすべて悪だというわけではないことです。かのストア派哲学者の賢者エピクテトスは2000年以上も前に
「われわれは他人の不快な、不正な行動に過剰に反応する」
と指摘しています。そう、我々が怒りやストレスに過剰に反応してしまうことが問題なのです。逆に言えば、怒りやストレスは適切に反応することさえできれば、改善をしようとする力・努力をしようとする力に変わるはずであり未来への力になると言っても過言ではないと思います。

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