大人の数学ブーム(?)について


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先日、日本テレビの朝の情報番組「ZIP!」さんから取材を受けました。
昨今の「大人が学ぶ数学」ブームに関する取材でした。「ブーム」という言葉を使うのは少し抵抗がありますが、最近は書店でも「数学コーナー」ができるなど大人の方が学ぶ数学が注目されているようです。永野数学塾の「大人の数学塾」に取材の申し込みがあったのもテレビだけでこれで3局目です。
確かに最近は永野数学塾にも大人の方からの問い合わせがとても増えています。以前はお仕事で必要になった方や、大学(院)再受験のための方の受講が多かったのですが、家庭の主婦の方やお仕事をリタイアされた方から「生涯学習として数学を学んでみたい」というお問い合わせを多く頂くようになりました。そこで今回取材してもらった内容も含めて大人の方が数学を学ぶことについて、私なりの考えを書いてみたいと思います。

数学を学ぶことの意味


三角関数もベクトルも微分積分も日常の生活で必要になることはほとんどありません。にも関わらず、ほとんどの国で数学は義務教育のカリキュラムに入っています。なぜでしょうか?それは、論理力(=数学的思考力)すなわち筋道を立てて物事を考えていく力を養うことこそ数学を学ぶ本当の理由だからだと思います。
論理力があれば他人に自分の意見を納得させることができますし、反対に自分と違う他人の意見を理解することもできるようになります。それだけではありません。対人関係や仕事上のトラブル、それに環境問題などの社会問題や、経済などさまざまな複雑な問題解決の糸口は感情任せの思いつきでは見えてきません。その問題点を検証・定量化し、対象を冷静に客観視して、論理的に解決を探っていかなければなりません。
さらその問題が解決できたときに、経験した具体的な事柄を抽象化することができれば、経験に基づく解決法の汎用性が一気に高まり新たな問題に立ち向かう際の指針を自分で創り上げることができます。これはまさに数学です。
また、身近なところでは、オーディオの配線だって数学ですし、新しい家電の説明書を読む力や上手に旅行や仕事の予定を立てることも数学だと言えると思います。

昨今の数学ブームについて


これだけ不況が長引きまた価値観も多様化していると、盲目的に信じることができる画一的なものをなかなか見つけることができません。そうなると他人から与えられるのではなく自分の頭でしっかり筋道を立てて物事を考える必要が出てきます。それはまさに論理力、すなわち数学の能力です。このことに気づきはじめた方が多くなってきたのではないでしょうか?

大人になってから数学を学ぶということ


多くの方にとって、学生時代にコンプレックスを感じていた二大科目が英語と数学だと思いますが、英語は社会人になってから英会話に通うなどして、コンプレックスを払拭できる方が少なくないのに対して、数学は学び直す機会がなかなかなかったと思います。でも、大人になってから少しの勇気をもってもう一度数学と向きあってみると、公式を丸暗記して試験の問題を解くという「数学」ではなく、物事の本質の理解としての数学に出会うことができます。
そしてそこにはあれだけ分からなかったものが今なら分かるという感動があります。試験に追われることなく、興味のおもむくままに学ぶ数学は知的好奇心を大いにくすぐってくれるものです。事実私の塾でも多くの大人の方に「こういう事だったんですね!」ととても喜んで頂いております。
閉塞感のある世の中にあって紙と鉛筆だけで味わうことのできるこの達成感はとてもエキサイティングなものですし、数学の階段を一歩上がる度に世界がぐっと拡がって見える感動は大人の方にこそ鮮明に味わっていただけるものだと思っています。

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